2011年 06月 10日
想定外の津波による事故だというシナリオでつくられた報告書 |
松元保昭さんのメールを転載します。
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東電が5月23日に500ページにもおよぶ事故報告書を発表し、その後6月6日に保安院が似たような報告書を発表、そして政府は7日、事故に関する調査報告書をまとめ、国際原子力機関(IAEA)に提出。IAEAは、この報告書をもとに20日以降の閣僚会議で検討する模様。
つまり政府報告書は東電報告書を土台にしているものでそのシナリオを元に「国際的な判定」が下されようとしているわけです。その東電報告書の「解析」を、原子力資料情報室の後藤政志さんが解析しています。このの動画を見てください。
http://www.ustream.tv/channel/cnic-news
中心的な論点は、「初期事象」における地震による損傷の有無です。
「東電報告書は、地震による冷却循環ポンプの破断の可能性など一切無視して、すべてを津波のせいに断定している。検証もせずに地震の影響は無かったとは、断言できないはず。データはまだ断片的なものでしかなくすべてはシミュレーションにすぎないのに、津波の影響に断定している報告書には大きな疑問をもたざるをえない。」
後藤政志さんはこのように語って、事故直後には「燃料棒の一部損傷」と言っていたものが、2ヵ月後には一気に「メルトダウン」と発表する東電の情報操作に怒りをあらわにしています。さらに、このたびの政府報告書では、1,2,3号機ともさらに最悪の「メルトスルー」という発表ですから、もはや国民の信用どころか国際的信用まで「底に落ちている」感じです。
重要なことは、先日IAEA調査団が「津波の影響」に力点をおいて「口裏を合わせて」帰ったように、東電、政府が「想定外の津波の影響」に事故原因を特定してシナリオをつくり、「免責条項」を導入して東電とどうじに原発推進行政をも救おうという魂胆が見え見えであることです。
ピースウォーク京都の守田氏は、「つまり東電や保安院は事故が、津波以前の地震そのものによって起こった可能性の隠ぺいを図ろうとしていることが濃厚に疑われる」と指摘しています。http://abc.pwkyoto.com/?eid=201
その証拠に、きのうの政府報告書は「津波への対策が不十分だったため、原子炉を冷却するための電源を確保できず、炉心溶融に至った」としていることです。後藤さんは、これでは「今後の原発における地震対策がさらに後退してしまう」と警告しています。
さきの守田氏は、「耐震構造に問題があるとするのなら、実は日本の原発全てがこれまでの想定を見直さないといけなくなる。つまり運転できなくなる可能性が高いのです。その意味で事故要因を、津波に限定するか、地震そのものによるものと捉えるかで、原子力政策の展望が大きく変わっていくことになる。」と指摘しています。
★参考:田中光彦「要するに、地震の揺れによって1号機は配管の破損がおこったと考えられ、冷却ができなくなった可能性がある。」
■原子力資料情報室:後藤政志(元東芝・原子炉格納容器設計者)氏による
東電・保安院のメルトダウン解析について(6月7日)
http://www.ustream.tv/channel/cnic-news
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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
〒004-0841 札幌市清田区清田1-3-3-19
TEL/FAX : 011-882-0705
E-Mail : y_matsu29@ybb.ne.jp
振込み口座:郵便振替 02700-8-75538
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東電が5月23日に500ページにもおよぶ事故報告書を発表し、その後6月6日に保安院が似たような報告書を発表、そして政府は7日、事故に関する調査報告書をまとめ、国際原子力機関(IAEA)に提出。IAEAは、この報告書をもとに20日以降の閣僚会議で検討する模様。
つまり政府報告書は東電報告書を土台にしているものでそのシナリオを元に「国際的な判定」が下されようとしているわけです。その東電報告書の「解析」を、原子力資料情報室の後藤政志さんが解析しています。このの動画を見てください。
http://www.ustream.tv/channel/cnic-news
中心的な論点は、「初期事象」における地震による損傷の有無です。
「東電報告書は、地震による冷却循環ポンプの破断の可能性など一切無視して、すべてを津波のせいに断定している。検証もせずに地震の影響は無かったとは、断言できないはず。データはまだ断片的なものでしかなくすべてはシミュレーションにすぎないのに、津波の影響に断定している報告書には大きな疑問をもたざるをえない。」
後藤政志さんはこのように語って、事故直後には「燃料棒の一部損傷」と言っていたものが、2ヵ月後には一気に「メルトダウン」と発表する東電の情報操作に怒りをあらわにしています。さらに、このたびの政府報告書では、1,2,3号機ともさらに最悪の「メルトスルー」という発表ですから、もはや国民の信用どころか国際的信用まで「底に落ちている」感じです。
重要なことは、先日IAEA調査団が「津波の影響」に力点をおいて「口裏を合わせて」帰ったように、東電、政府が「想定外の津波の影響」に事故原因を特定してシナリオをつくり、「免責条項」を導入して東電とどうじに原発推進行政をも救おうという魂胆が見え見えであることです。
ピースウォーク京都の守田氏は、「つまり東電や保安院は事故が、津波以前の地震そのものによって起こった可能性の隠ぺいを図ろうとしていることが濃厚に疑われる」と指摘しています。http://abc.pwkyoto.com/?eid=201
その証拠に、きのうの政府報告書は「津波への対策が不十分だったため、原子炉を冷却するための電源を確保できず、炉心溶融に至った」としていることです。後藤さんは、これでは「今後の原発における地震対策がさらに後退してしまう」と警告しています。
さきの守田氏は、「耐震構造に問題があるとするのなら、実は日本の原発全てがこれまでの想定を見直さないといけなくなる。つまり運転できなくなる可能性が高いのです。その意味で事故要因を、津波に限定するか、地震そのものによるものと捉えるかで、原子力政策の展望が大きく変わっていくことになる。」と指摘しています。
★参考:田中光彦「要するに、地震の揺れによって1号機は配管の破損がおこったと考えられ、冷却ができなくなった可能性がある。」
■原子力資料情報室:後藤政志(元東芝・原子炉格納容器設計者)氏による
東電・保安院のメルトダウン解析について(6月7日)
http://www.ustream.tv/channel/cnic-news
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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
〒004-0841 札幌市清田区清田1-3-3-19
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by halunet
| 2011-06-10 08:50
| 原発と核