2011年 03月 21日
原発30km圏内の子ども、妊婦は直ちに避難を |
大学で物理学を教えている知人が独自に分析して表にしたものを送ってくれました。この表を読み解くにはそれなりの知識が必要かもしれません。私などはよくわかりませんが、原発30km圏内の子どもや妊婦は大変な危険にさらされていることは確かなようで、直ちに避難するように手配すべきだろうと思います。
以下は転載転送をご自由にお使い下さい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は放射線の非専門家ですが,20km,30km圏の子供の発ガンリスクを簡単な仮定のもと計算してみました.ちょっとひどいので,この情報をいろいろなところに送って以下を述べていくつもりです.もしご賛同くださるならこのメールを理解できるかたに転送してくだされば幸いです:
-------------------------------------
乳幼児,子供,妊婦の方々をただちに福島第一原子力発電所(福1)から米国並みの基準で遠ざけるべきです
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20-30km圏内15日の濃度の大気を仮に10日呼吸したとすると,幼児10,000人中10-30人以上が発ガンリスクを抱えることになります.20日,30日..と暮らすならリスクは2倍,3倍になります.実質,放射性ヨウ素I131の効果です.
発症率は以下の因子で増加されるべきです:
1.I131,Cs134,Cs137の3核種の外部被曝と(チェルノブイリの経験から)原子
炉近傍局所を汚染するSr90,Puによる外部,内部被曝があること(福1事故に関するSr90,Puのデータは不明);
2.当日の風向きでは濃度算定に使った茅ヶ崎が風上側にあること,
また,以下の因子で減少するかもしれません:
3.屋内にいること.(微粒子に付着したPuは避けられますが,原子炉冷却のため散布した水が起源のエアロゾルにのったI131は自然な空気の交換で室内に及ぶはずです.)
計算過程は次のとおりです:
(1)茅ヶ崎での大気中濃度から逆二乗則で福1近傍の濃度を算定,
(2)その濃度に10日分の呼吸量を掛け吸入摂取する放射性物質量[B]を算出,
(3)それに実効線量係数を乗じてmSvに換算,
(4)1mSvが10,000人あたり1人癌発症という率を適用
(1)で用いた逆二乗則は外部被曝の安全性をいうためにマスコミで喧伝されていますが,風と雨の影響のほうが実は大きいです.でも風上の茅ヶ崎のデータを下にしているのでリスクの下限(楽観的データ)の意味があります.
チェルノブイリでは,300kmはなれたところにもCs 137高濃度汚染地区ありました.
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Chernobyl_radiation_map_1996.svg
ただし,この地図では右上のきれている場所,300km程度に東西に長い185-555kBq/km2 (5-10Ci/km2) の汚染区域があります.
福1 I131拡散状況(オーストリア気象台?)
http://www.zamg.ac.at/aktuell/
I131の拡散状態のシミュレーションを掲載しています.
このサイトはいま,ドイツ語がよめる方に内容を伺っています.
(3)で用いた実効線量係数という量はさまざまな因子をたたみ込んだものですの
でどれほど確かかわかりませんが,そのような量を用意しておく学術的意味はこのような非常事態の対応に供するためと信じて使わせてもらいました.
(4) の係数は文献としてチェックしていませんが,CNICの動画で崎山先生のお話
にあったため,使わせていただきました.
http://cnic.jp
---------------------------------------------
シーベルトSvやグレイGyは外部被曝の記述に便利な単位で,ベクレルBqは内部
被曝の記述に便利な単位です.でも,報道は圧倒的にシーベルトでなされます.
内部被曝の問題は蓋然的、確率的(ちょうど利子のトリックとおなじで,民衆のエゴにより気がつかないことに類似)です.”...Svなのであなたの健康にはただちに影響しない”,”レントゲン・CT何回分”というレトリックを聞くと,四捨五入で自分は大丈夫だと安心をえますが,10000人のなかに必ず犠牲者がでます.
特に内部被曝についてのこのようなレトリックは公衆(大げさにいえば公共性)への心をくじくもので,非科学的のうえ,倫理に反するものです.山梨は福1から約300kmでこれからの内部被曝の現場です。
学会でも内部被曝を無視する方向への力が働いていて,テレビの解説にでてくる
先生は,原爆訴訟で敗訴している政府側の証人として出廷した人が多いのだそう
です.
内部被曝のような蓋然性を理解することは,日本人の公共性の回復のためのよい
教材のようにも思えます.
文責:坂野 kusaboke@softbank.ne.jp
P.S. 情報源
内部被曝:
樋口健二著 闇に消される原発被曝者
内部被曝については”原発ぶらぶら病”で検索すると情報が得られると思います.
被曝用語集:
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/hibaku.html
(預託線量係数)
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/yotaku_jikkou_syousai.html
外部被曝の指標である空間線量率については文部科学省が全国からデータを集めて15日から発表し出しました.
東北地方太平洋沖地震関連情報
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/index.htm
都道府県別環境放射能水準調査結果
http://eq.yahoo.co.jp/
過去の全国の核種ごとの濃度などは以下にありました:
環境放射線データベース(文部科学省系)
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.top?pageSID=23354198
以下は転載転送をご自由にお使い下さい。
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私は放射線の非専門家ですが,20km,30km圏の子供の発ガンリスクを簡単な仮定のもと計算してみました.ちょっとひどいので,この情報をいろいろなところに送って以下を述べていくつもりです.もしご賛同くださるならこのメールを理解できるかたに転送してくだされば幸いです:
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乳幼児,子供,妊婦の方々をただちに福島第一原子力発電所(福1)から米国並みの基準で遠ざけるべきです
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20-30km圏内15日の濃度の大気を仮に10日呼吸したとすると,幼児10,000人中10-30人以上が発ガンリスクを抱えることになります.20日,30日..と暮らすならリスクは2倍,3倍になります.実質,放射性ヨウ素I131の効果です.
発症率は以下の因子で増加されるべきです:
1.I131,Cs134,Cs137の3核種の外部被曝と(チェルノブイリの経験から)原子
炉近傍局所を汚染するSr90,Puによる外部,内部被曝があること(福1事故に関するSr90,Puのデータは不明);
2.当日の風向きでは濃度算定に使った茅ヶ崎が風上側にあること,
また,以下の因子で減少するかもしれません:
3.屋内にいること.(微粒子に付着したPuは避けられますが,原子炉冷却のため散布した水が起源のエアロゾルにのったI131は自然な空気の交換で室内に及ぶはずです.)
計算過程は次のとおりです:
(1)茅ヶ崎での大気中濃度から逆二乗則で福1近傍の濃度を算定,
(2)その濃度に10日分の呼吸量を掛け吸入摂取する放射性物質量[B]を算出,
(3)それに実効線量係数を乗じてmSvに換算,
(4)1mSvが10,000人あたり1人癌発症という率を適用
(1)で用いた逆二乗則は外部被曝の安全性をいうためにマスコミで喧伝されていますが,風と雨の影響のほうが実は大きいです.でも風上の茅ヶ崎のデータを下にしているのでリスクの下限(楽観的データ)の意味があります.
チェルノブイリでは,300kmはなれたところにもCs 137高濃度汚染地区ありました.
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Chernobyl_radiation_map_1996.svg
ただし,この地図では右上のきれている場所,300km程度に東西に長い185-555kBq/km2 (5-10Ci/km2) の汚染区域があります.
福1 I131拡散状況(オーストリア気象台?)
http://www.zamg.ac.at/aktuell/
I131の拡散状態のシミュレーションを掲載しています.
このサイトはいま,ドイツ語がよめる方に内容を伺っています.
(3)で用いた実効線量係数という量はさまざまな因子をたたみ込んだものですの
でどれほど確かかわかりませんが,そのような量を用意しておく学術的意味はこのような非常事態の対応に供するためと信じて使わせてもらいました.
(4) の係数は文献としてチェックしていませんが,CNICの動画で崎山先生のお話
にあったため,使わせていただきました.
http://cnic.jp
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シーベルトSvやグレイGyは外部被曝の記述に便利な単位で,ベクレルBqは内部
被曝の記述に便利な単位です.でも,報道は圧倒的にシーベルトでなされます.
内部被曝の問題は蓋然的、確率的(ちょうど利子のトリックとおなじで,民衆のエゴにより気がつかないことに類似)です.”...Svなのであなたの健康にはただちに影響しない”,”レントゲン・CT何回分”というレトリックを聞くと,四捨五入で自分は大丈夫だと安心をえますが,10000人のなかに必ず犠牲者がでます.
特に内部被曝についてのこのようなレトリックは公衆(大げさにいえば公共性)への心をくじくもので,非科学的のうえ,倫理に反するものです.山梨は福1から約300kmでこれからの内部被曝の現場です。
学会でも内部被曝を無視する方向への力が働いていて,テレビの解説にでてくる
先生は,原爆訴訟で敗訴している政府側の証人として出廷した人が多いのだそう
です.
内部被曝のような蓋然性を理解することは,日本人の公共性の回復のためのよい
教材のようにも思えます.
文責:坂野 kusaboke@softbank.ne.jp
P.S. 情報源
内部被曝:
樋口健二著 闇に消される原発被曝者
内部被曝については”原発ぶらぶら病”で検索すると情報が得られると思います.
被曝用語集:
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/hibaku.html
(預託線量係数)
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/yotaku_jikkou_syousai.html
外部被曝の指標である空間線量率については文部科学省が全国からデータを集めて15日から発表し出しました.
東北地方太平洋沖地震関連情報
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/index.htm
都道府県別環境放射能水準調査結果
http://eq.yahoo.co.jp/
過去の全国の核種ごとの濃度などは以下にありました:
環境放射線データベース(文部科学省系)
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.top?pageSID=23354198
by halunet
| 2011-03-21 16:42
| 原発と核