2011年 02月 11日
◆JPMAメルマガ◆ パレスチナ最新情報 11・02・11 |
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■□ ニュース速報 □■
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エジプト民主化運動に連帯するパレスチナ占領地での集会・デモは、依然として小規模です。西岸とガザの自治政府が、いかに神経質になっているかわかりますね。スレイマーン副大統領には、彼が情報局長の時代から、ファタハもハマースも長年「お世話になっている」から、ということでしょうか。スレイマーン氏の手を借りた点では、イスラエル政府も同様だと言えます。
イスラエル最高裁が禁じた暗殺作戦をイスラエル軍が実行していることを示唆する記事が、ハアレツ紙で報道されたのが08年でした。記事の元となった情報は、軍の一兵卒がコピーした機密文書にありました。兵士は、軍の犯罪をあばくためにやった、と事実を認めました。
イラクで作戦中のアメリカ軍が多数のイラク市民を殺しているという情報は、アメリカ軍の、やはり下級兵士によってウィキリークスに提供されたことを思い出します。
無名の若者の勇気が、時に、軍という巨大な暴力装置を揺るがすことがある、というわけです。
ラーマッラーの病院でイスラエル人の女性が男の子を出産しました。これは、広く報道されています。
以下、2月3日以降のニュースです。
【2月3日(木)】
■PA治安当局が「無許可集会禁止」■
パレスチナ自治政府(西岸)の治安担当アドナン・アッドゥメイリ広報官は、西岸地区の秩序維持のため「無許可集会」を禁止すると発表。エジプトとチュニジアの民主化運動連帯デモ対策だと説明した。(2/3 IMEMC)
「パレスチナ人権コミッション」は、この措置に対し、表現の自由を保障したパレスチナ(自治政府)基本法と国際人権宣言に違反するものだと非難する声明を発表した。(2/4 Maan News)
【2月4日(金)】
■ビルイン村「壁」抗議デモ、エジプト民衆との連帯叫ぶ■
村の農地を分断する「壁」建設に反対しているビルイン村で、数百人のパレスチナ人と支援のイスラエル人、外国人活動家は、「壁」への抗議デモで、エジプトとチュニジアの民衆蜂起への連帯を掲げた。
金曜礼拝後、「壁」建設現場に向かったデモ隊は、パレスチナとエジプトの旗を掲げ、イスラエルの占領終結を要求すると同時に、エジプト民衆との連帯、パレスチナ諸党派の統一を訴えるシュプレヒコールを繰り返した。また、「壁」のルート変更を命じたイスラエル最高裁の決定に、当局が従うよう要求した。
イスラエル軍は、催涙ガス弾や音響爆弾を使用。ガスを吸ったデモ隊員は、救急隊員の手当てを受けた。
抗議集会は、(1)自由と誇りを求めるエジプトとチュニジアの人々に連帯のあいさつを送る(2)外部勢力の介入を許さないためにもパレスチナ陣営内の団結を求める(3)アラブ諸国はパレスチナ占領を続けるイスラエルとの関係を断つべし、エジプトはイスラエルとの平和条約を破棄すべし--との声明を発表した。(2/5 IMEMC)
■アル・アクサ・モスクの金曜礼拝を厳しく規制■
イスラエル警察は、エジプト民主化運動連帯デモを警戒、部隊を増強し、エルサレム旧市のアル・アクサ・モスクでの金曜礼拝を厳しく規制した。同モスクのあるハラム・アッシャリフへの入場は、国籍などに関わりなく、50歳以下の男性に対して禁止。これは、イスラエル市民権やエルサレム居住権を持つすべてのパレスチナ人にも適用、西岸地区居住のパレスチナ人はすべて締め出された。
ハラム・アッシャリフを管理するワクフ当局によると、この日の礼拝はわずか6000人。エルサレムでは、ラス・アル・アムード地区で若者たちが警官隊に投石、警察側は催涙ガスを使った。(2/4 AFP=Maan News)
■スレイマーン副大統領「イスラエルとの平和条約は順守」■
エジプトのウマル・スレイマーン副大統領は、同日放映されたABCとのインタビューで、「われわれはイスラエルと平和条約を結んでおり、順守する。決して違反することはない」と断言した。(2/6 Maan News)
【2月5日(土)】
■「先ずエジプトを重視」と「カルテット」外相会議■
エジプトの反政府・民主化運動が続く中、パレスチナ=イスラエルを仲介する「カルテット」(国連、アメリカ、EU、ロシア)の外相級会議がミュンヘンで開かれ、バン・キムン国連事務総長、クリントン米国務長官、アシュトンEU外交代表、ラヴロフ・ロシア外相が出席した。
カルテットは、「最近エジプトやその他の地域に起きているドラマティックな事態の展開」に注目すると述べ、「こうした事態の進展が、アラブ=イスラエル間の平和に及ぼす影響について検討し、次回の会議でも重要課題として議論することで合意した」と声明した。
声明は「関係当事者が現在の和平プロセスにおける障害を乗り越えることを強く求める」としている。
アッバース大統領のアブー・ルデイネ顧問は、カルテットの会談を歓迎するとしながら、「われわれが交渉を再開できるよう、(イスラエル)の入植活動について断固たる態度を取ってほしい」とコメントした。(2/5 Reuters)
■ラーマッラーで2000人がエジプト民主化連帯デモ■
エジプトとチュニジア民主化運動に連帯するパレスチナ人の集会とデモがラーマッラーで行われ、主催者発表で約2000人が集まった。ハナン・アシュラーウィPLC議員(元マドリード国際会議パレスチナ代表団の広報官)と「独立人権コミッション」(Independent Human Rights Commission, 1993年当時のアラファート大統領令で設置)のマムドゥーフ・アル・イキル氏も参加した。
デモは、エジプトの国旗とパレスチナの旗、「タハリール広場からラーマッラーまで、民衆は変化を求める」「強権政治打倒」のプラカードを掲げ、「ムバーラク大統領辞任」を叫んだ。
パレスチナ警察は市街中心のアル・マナーラ広場の入り口を固めた。自治政府は、エジプト連帯デモを禁止している。
集会は、「言論の自由、イスラエルの占領とアパルトヘイト反対、自由・民主主義・社会的正義のためのアラブと世界の闘争に連帯する」と宣言した。(2/7 Maan News)
【2月6日(日)】
■暗殺作戦示唆の軍機密情報提供で元イスラエル女性兵士に有罪■
イスラエル最高裁が禁じたパレスチナ人暗殺作戦を軍が無視している――イスラエル軍の機密情報をジャーナリストに提供した元女性兵士が、テル・アヴィヴ地裁で情報漏洩の事実を認めた。有罪になると、最高15年の刑が科せられる。
元兵士は、アナート・カム(Anat Kamm)さん(24)で、4ヶ月間自宅軟禁され、メディアは、この件の報道を禁じられていた。検察側は弁護側との司法取引で、「国家の安全を害した」とする訴状の一部を取り下げ、被告が情報漏えいを認めた。
訴状によると、被告は、西岸地区・占領軍政担当の将官の下で勤務していた05年から07年にかけ、約2000点の機密文書をコピー。文書には、軍の配置、内部の議事録、軍事作戦のほか、暗殺すべきパレスチナ人武闘派の名前が記されていたという。
彼女は、08年に除隊した後、これらのコピーをハアレツ紙のウリ・ブラウ記者に提供。同記者は、特殊なケースを除いて暗殺作戦を違法とした最高裁の命令に反して、軍がパレスチナ人武闘派暗殺を計画していたなど、数本の記事を書いた。
問題の記事では、「ジハード」のメンバー一人が標的として文書に記載されていたことが報道された。当局は、報道1年後の09年12月にこの元兵士を逮捕、イスラエルのメディアに対し事件について報道管制を敷いた。
法廷記録によると、カムさんは、イスラエル軍が戦争犯罪をおかした可能性を市民に知らせたかったからだと証言している。(1/7 Independent、ほか)
【2月7日(月)】
■東エルサレムに入植者住宅■
エルサレム住宅計画委員会は、東エルサレムのシャイク・ジャラ地区に入植者住宅を2棟建設する計画を承認した。着工前に近隣のパレスチナ人住宅が破壊される予定。
同地区では、パレスチナ人3家族が追い出された住宅に、イスラエル人入植者の家族が転入している。
住宅に関する権利をめぐる訴訟で、イスラエル最高裁は、これらユダヤ人家族は、1948年の第1次中東戦争以前からこれらの住宅を所有しており、西岸地区がヨルダンに併合された後も所有権を失っていないと判決した。(2/7 IMEMC)
【2月8日(火)】
■パレスチナ地方選挙を7月実施予定■
パレスチナ自治政府は、昨年7月から延期されていた地方議会選挙を今年7月9日に実施すると発表した。ハマースは選挙をボイコットするとしており、ヨルダン川西岸だけの実施となる見通し。(2/9 日経)
【2月9日(水)】
■ガザ地区でエジプト連帯デモ■
ガザ地区中部で、エジプト民主化運動を支持する学生数百人が集まり、エジプトとパレスチナの旗を振ってデモ行進した。デモはエジプトのムバーラク大統領を「アメリカの回し者」と非難、さらにスレイマーン副大統領やアハマド・シャフィーク首相らを非難するスローガンを叫んだ。
この日、エジプトはラファハ検問所を閉鎖、ガザ地区へ向かうパレスチナ人数百人が足止めされた。大部分はエジプトで治療を受けた後、帰る途中だったという。(2/9 AFP=Maan News)
■ガザ地区の失業率45%に■
ガザ市を訪問中のUNRWA広報官クリス・ガンネス氏は、ガザ地区の失業率は2011年に入っても増え続け、45.4%に達したと語った。ガンネス広報官は、ガザ封鎖が同地区の経済を崩壊の淵に追いやっていると警告した。(2/10 Maan News)
■イスラエル人女性がラーマッラーで出産■
イスラエル人女性が西岸地区のラーマッラーで出産、話題になっている。イスラエル籍のアラブ系市民と結婚したニスリーン・ハイェドゥリさんで、ユダヤ教からイスラームへの改宗者。ラーマッラーで夫と買い物中に産気づき、夫が同市内の病院へ運んだ。
彼女はアラビア語が話せないので、ヘブライ語がわかる病院医師が通訳、無事2.3kgの男児を産んだ。
イスラエル人が占領地パレスチナで出産するのは極めてまれ。病院には、ラーマッラー市長がお祝いに駆け付け、アッバース大統領も花束とカードを贈って祝福した。
ファトヒ・アブー・ムグリ自治政府保健相は、「この出産が、イスラエル人がいつでもパレスチナの病院へ来られるような正常な関係の糸口になることを望む」と語った。(2/10 AP)
■アメリカはイスラエル支持を再確認■
エジプトの反政府運動が続く中、イスラエルのエフード・バラク国防相は、同夜、ホワイトハウスで、アメリカのクリントン国務長官、ゲイツ国防長官、トム・ドニロン国家安全保障顧問と会談した。
ホワイトハウス報道官によると、会談では、「中東和平を進める必要性やイランの核兵器取得阻止、その他2国関係など」が論議された。アメリカ当局者は、「軍事支援を含め、イスラエルの安全保障に対するアメリカの揺らぐことなきてこ入れを続ける」ことを固く約束したといっている。(2/11 Haaretz)
【2月10日(木)】
■ハワーラ検問所を廃止■
イスラエル軍は、ナーブルス郊外のハワーラ検問所を撤去するとパレスチナ自治政府に通告した。同検問所は、来週中に廃止され、西岸地区北部の2大都市、ラーマッラーとナーブルス間最大の障害が除かれることになる。
ラーマッラー=ナーブルス間は直線で約40kmだが、パレスチナ人は検問所で何時間も立ったまま待たされることはざらで、通勤、通学、商用などの大きな障害になっていた。警備のイスラエル兵が殴打しているところを写真に撮られ、処罰されたこともある。
09年、検問は緩和されたが、廃止は第2次インティファーダ以来、初めて。(2/10 Haaretz)
■エジプトのラファハ検問所を銃撃?■
目撃者によると、ガザ地区とシナイ半島の接点、ラファハ検問所のエジプト部隊兵舎を何ものかが攻撃した。攻撃したのは複数で、銃と携帯式りゅう弾砲が使われたという。(2/10 Reuters)
【2月11日(金)】
■バラク国防相「エジプトに時間の余裕を」■
訪米中のバラク国防相は、エジプトのムバーラク大統領が辞任を拒否した件について、「世界はエジプトの変化を応援すべきだが、この国が過激派の手に落ちないよう、十分な時間的余裕を与えることが必要だ」と述べた。(2/11 Reuters)
(出典:AFP、AP、Haaretz、IMEMC、Independent、Maan News、Reuters、日経)
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創立25周年
日本パレスチナ医療協会主催
第46回 公開講演会
パレスチナ西岸地区における中小零細企業の実態について
ー占領政策下でパレスチナ企業が強いられる課題ー
スピーカー:岩浅紀久
パレスチナでは、イスラエルによる占領政策が多くの課題をもたらしています。
1.隔離壁による地域の分断、2.検問所による人の通行の制限と物資の検査による自由通行の制限、3.国境管理における輸出入および人の出入りの制限、4.A地区、B地区、C地区へと分断されたことによる行政とセキュリティのまちまちな管理、5.地域内のパレスチナ人家屋の破壊と入植地建設。これらが中小零細企業にどんな影響をもたらしているか、現地調査を行い、パレスチナの中小零細企業が強いられているさまざまな困難が明らかになってきました。物流に焦点をあてて実態についてお話しいただきます。
日時:2月19日 18:00-20:00 (開場17:30)
会場: JICA地球ひろば セミナールーム202号室
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-2-24
電話 03-3400-7717
資料代:800円
交通案内:東京メトロ日比谷線広尾駅下車(3番出口)徒歩1分
地図: http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html
主催:日本パレスチナ医療協会(JPMA)
問い合わせ先:090-2167-4802、jpma@keb.biglobe.ne.jp
岩浅紀久(いわあさ・としひさ)氏のプロフィール
日本IBMのSEとして多業種にわたって数多くのシステム設計を手がけ、後に本社SE部門のマネージャー、社内研修、経営管理等にたずさわる。25年の勤続の後、日本フィリップスの情報システム部長として、関連会社やオランダ本社のシステムとも連携をもった全社システムの再構築を完成した。8年勤続の後、システム設計の専門会社であるベンチャー企業「ITエンジニアリング研究所」を立ち上げる。2009年にはJICAプロジェクトの「Palestine/Assistance of Small & Medium Sized Enterprises」のメンバーとして、西岸地区における中小零細企業の実態調査に、物流調査の専門家として参加。電子情報通信学会正員、NPO法人ビジネスキャリア協会理事、日本ボランティアセンター(JVC)会員、パレスチナ子どものキャンペーン会員、日本聖公会信徒。
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占領の実態をより知るために
UNOCHA(国連人道問題調整事務所)のWeekly Reportによれば、1月12日から18日の1週間に、イスラエル軍や警察によって西岸で19人が負傷しました。また入植者による暴力行為もあとを絶たず、同じ1週間に6件の事件が報告されています。さらにヘブロン郡のベドウィン村で13の建築物がイスラエル当局によって解体され50人が追い出されたと報告されています。このようなことは占領下において日常に起こっています。メルマガでもしばしば占領の実態をあらわす事件を報道しています。しかしながら、ひとつの事柄を掘り下げて報道されることは、なかなかありません。
Women's Center for LLegal Aid and Counsellingという団体が、占領下のパレスチナにおいて、女性が受けてきた人権侵害の報告書(2009年)をまとめました。
http://www.wclac.org/english/publications/book.pdf
80ページにわたる英文の報告者ですが、その翻訳が「平和をめざす翻訳者たち」(Translators United for Peace)という団体が翻訳し、「女たちの証言--占領下パレスチナで生きるということ」という証言集としてまとめていて、日本語で読むことができます。
http://www.tup-bulletin.org/
「暴力」「移動の自由」「住居と家族の離散」「家屋の取り壊し」の4部構成になっていて、「暴力」の4回分がすでに発表されています。。メルマガ(無料)でも配信していて、サイトから申し込めます。
by halunet
| 2011-02-11 21:53
| パレスチナの平和
























