2010年 12月 02日
◆JPMAメルマガ◆ パレスチナ最新情報 10・12・02 |
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■□ ニュース速報 □■
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ウィキリークスが漏らした、アメリカの外交文書が世界各地で反響を呼んでいます。「ネタニヤフ首相は約束を守らない」とか、「サウジアラビアがアメリカにイラン攻撃を要請していた」とか。今後どのような話が出てくるのか、興味深いのですが、こんな微妙な話が、伝えられるように二十五万点も流出したとすれば、世界の情報の歴史上たいへんな事件です。報道によれば、アメリカ国務省と国防
総省を結ぶネットに50万人がアクセス可能だった。5万人、いや5千人だったとしても、これが本当なら驚きです。
パレスチナに引きつけて言えば、08年暮れから09年1月にかけてイスラエル軍が行った、大規模なガザ地区攻撃について、イスラエルは、事前に、アッバース大統領やエジプトと協議していたという情報が流れています(12月1日、ハニヤ首相の記者会見)。本当なら、パレスチナ解放運動史上最大のスキャンダル、少なくともそのひとつといえるでしょう。
この日のハニヤ首相の話は多岐にわたり、さまざまなことを示唆しています。たとえば、グリーン・ラインを容認する可能性。関心のある方は、ニュース源のReutersとMaan News、その他の関連記事に当ってみてください。
この速報では時々紹介するだけですが、東エルサレム、ヨルダン渓谷、その他の「C地区」(イスラエルが行政と治安を100%コントロール)で、パレスチナ人の住宅やテント、モスクなどの破壊が進められています。「無許可建築」「所有権はイスラエル・ユダヤ人にある(または、移転された)」などの理由づけが行われています。
一方で入植活動、国際司法栽でも「違法」とされた「壁」の建設が進みます。「壁」抗議運動の象徴的な存在である、ビルイン村のアブドゥッラー・アブー・ラハマ氏は、刑期満了にも関わらず塀の中です。
パレスチナ問題をめぐる、外交・軍事の表立った動きが少ない時こそ、現地の動きにいっそう注意を払いたいと思います。
以下、11月27日以降のニュースです。
【11月26日(金)】
■アル・マアサラ村の「壁」反対デモで5人逮捕■
ベツレヘム地区のアル・マアサラ村で行われた「壁」抗議デモで、イスラエル軍は5人を逮捕した。軍広報官は、5人は「暴動」に加わったとして、警察に引き渡されると述べた。同村の人民委員会によると、捕まったのは外国人の支援活動家4人と15歳の少年。
分離壁ができると、アル・マアサラ村周辺の土地数百ヘクタールが奪われ、地区のグーシュ・エツィオーン入植地のものとなる。
住民らは近くの学校で集会後、同村へデモ。待ち構えていたイスラエル軍は、ガス弾や音響爆弾を見舞った。軍は、デモ隊が投石したので鎮圧に当ったとしている。
この日、ビルイン村、ニイリン村、アン・ナビー・サーリハ村でも「壁」と土地奪取に対する抗議行動が行われ、イスラエル治安部隊は催涙ガス弾を使った。
ビルイン村のデモは、アブドゥッラー・アブー・ラハマ氏の写真を掲げ、29日の国連パレスチナ連帯デーを記念、占領終結と「壁」撤去、土地収奪と入植地建設を止めさせるイスラエル・ボイコットを世界に呼びかけた。アブー・ラハマ氏は、「壁」に反対する同村人民委員会議長で、昨年イスラエル当局に逮捕され、1年の刑期を満了したが、依然として拘留されている。(11/27 Maan News)
【11月27日(土)】
■イスラエル軍用車に追われ、クルマ転覆、労働者17人負傷■
ベツレヘムの医療関係者によると、ベイタル・イリト入植地の近くで、イスラエル軍車両に追跡されたクルマが転覆、乗っていたパレスチナ人労働者17人がクビや頭にケガをした。労働者らは、イスラエル側へ働きに行く途中と見られるが、労働許可などは取っていなかった模様。労働者は、3病院へ搬送されたが、命に別条はないという。(11/28 IMEMC)
【11月28日(日)】
■「暗殺承認した副参謀総長は不適格」とイスラエル平和活動家■
指名手配者の暗殺作戦を承認した将軍の軍幹部任命は不当だとして、イスラエルの平和・左派活動家らが、ヤイル・ナヴェ准将の イスラエル軍副参謀長人事への異議を最高裁に申し立てた。ナヴェ准将は05年から07年に中央司令部司令官を務め、3日前に副参謀長に就任したばかり。
申し立てによると、同准将は、中央司令部司令官だった当時、イスラエル最高裁や国際法で違法とされている標的殺人(targeted killing)の責任者。
申立人は、元メレツ幹部のシュラミト・アローニ、元クネセト(イスラエル国会)議員のモッシ・ラッツ、グーフ・シャローム設立メンバーのウリ・アヴネリ、詩人のアレックス・レヴァックらの諸氏。イスラエル軍のファイルに基づく報告書を見ると、ナヴェ准将が、指名手配されている人物らを逮捕できるにもかかわらず、無関係の人々を巻き込んでもよいから暗殺する諸作戦を承認したという。同准将は、これらの事実を否定していない。
申立人は、この人事を行ったバラク国防相に対し、「法的にも倫理的にもまったく非合理」だと批判している。(11/28 Y-net News)
【11月29日(月)】
■イランの核科学者暗殺?■
イラン国営テレビによると、首都テヘランで同朝、イランの核科学者を標的としたとみられる爆弾テロが2件連続、ベヘシュティ大学のマジード・シャハリアリ教授が死亡、同大のフェレイドン・アッバシ教授が重傷を負った。
イラン原子力庁のサレヒ長官は、シャハリアリ教授について、過去に同庁で核計画の重要な部分を担当していたと述べた。同テレビは「核開発に打撃を与えようとするイスラエルの手先の仕業」と報じた。
2人が出勤のため自家用車で自宅を出ようとした際、バイクに乗った男性が、爆弾を自動車付近に置いて逃げたという。(11/29 読売)
■イスラエルの少年が地雷禁止を訴え■
対人地雷禁止条約(オタワ条約)の第10回締約国会議が、ジュネーブの国連欧州本部で始まり、地雷で右脚を失ったイスラエル人、ダニエル・ユバル君(11)が自国の批准と世界の地雷撤廃を各国代表団の前で訴えた。
ダニエル君は今年2月、ゴラン高原で初めて経験する雪景色に飛び込み、地雷の被害にあった体験を英語で説明。「ぼくのような少年が二度と出ないように、イスラエル政府に働き掛けている」と語りかけた。「隣国ヨルダンは加盟国になった。次はイスラエルだ」と強調、会場は大きな拍手に包まれた。(11/30 共同)
【11月30日(火)】
■ネタニヤフ首相、将来の「領土交換を支持」■
同日のY-net Newsが、ウィキリークスが流した情報として伝えるところによると、「ネタニヤフは(パレスチナ側との)土地交換という考え方を支持すると述べた。彼は、西岸地区とガザ(地区)の支配を望んでおらず、そこからの攻撃を止めさせたいのだと強調した」という。これは、09年2月26日にテル・アヴィヴのアメリカ大使館から本国に送られた電報に記されていたという。
また、この電報によると、ネタニヤフ首相は、シリアとの(平和)協定よりも、パレスチナ側と協定を結ぶ可能性が高い、シリアはイランと同盟関係にあるが、パレスチナはイランに距離を置いているからだ、とも語ったとされる。
イスラエル首相府は、「将来の平和条約の枠組みとして、パレスチナ側と領土交換を考えているのは、当時も現在も変わらない」とコメントしている。(11/30 Y-net News)
――バラク国防相「言葉づかいは慎重に」――
アメリカの外交記録がウィキリークスに流れたことについて、エフード・バラク国防相は、「イスラエルにダメージを与えたとは思わない」としながらも、その教訓は「アメリカ人相手に限らず、他人と話す場合にはもっと注意が必要だということだ」とコメントした。イスラエル中部の軍需工場で語った。
また、アラブ諸国がイランの核に強い不安を抱いているとのウィキリークスの情報について、「興味深い情報だ」と述べた。(11/30 Haaretz)
【12月1日(水)】
■ハニヤ首相「人民投票で承認されれば、イスラエルとの平和協定を順守」■
ガザ(ハマース)政権のイスマイール・ハニヤ首相はガザで記者会見、「われわれは、エルサレムを首都とし、1967年の境界線を国境とするパレスチナ国家を受け容れる。ただし、(イスラエルに囚われている)パレスチナ人の釈放と難民問題に関する決議の履行が条件だ」と語った。
同首相は、イスラエルとの平和協定が、西岸・ガザ地区とディアスポラの全パレスチナ人の人民投票にかけられれば、「その結果がハマースのイデオロギーや原則に反するものであると否とにかかわらず、尊重する」とも述べた。
1988年のハマースの憲章は、イギリスが1948年まで統治した全パレスチナをイスラーム教徒の財産だとしており、ハマース指導者のなかには、数カ月前にアッバース大統領が人民投票を提案した時、これに反対する発言もある。
ハニヤ首相は、また、「パレスチナ人の権利回復を助けようという」ヨーロッパ諸国と協力する意向を表明。対イスラエルについては、武力衝突のエスカレーションを避けることを優先しており、他のパレスチナ強硬派に対して、事実上の停戦協定を守るよう説得していると語った。
――ガザ地区に「アル・カーイダ」はいない――
先月17日のイスラエル軍空爆で殺された「ジュンド・アル・イスラーム」のメンバーが「アル・カーイダ」と関係があるとの情報について、ハニヤ首相は、「ガザ地区にアル・カーイダのようなものはない。あるのは、イスラエルの占領に対する抵抗勢力。彼らは、パレスチナの領域外で活動することはない」と述べた。
17日の空爆について、「暗殺は、イスラエルがとくにガザ地区攻撃エスカレートをもくろんでいることの表れ。イスラエルはマスメディア向けに、抵抗勢力を『アル・カーイダ』と結びつけている」と批判した。
08年12月のガザ地区攻撃前にイスラエルがアッバース大統領やエジプトと協議したという、バラク国防相の話がウィキリークスで流されたことについて、ハニヤ首相は、「もしこの情報が本当なら、民族にとって破局的な事件だ。革命運動にとって超えてはいけない一線、それは敵に協力し、敵を支援することだ」と語った。(12/1 Reuters=Haaretz、Maan News)
■エルサレム地区に入植者住宅625戸■
イスラエルの「エルサレム地区計画・建設委員会」は、東エルサレム地区の「ピスガト・ゼエヴ地区」に、入植者住宅625戸を建設する計画を承認したと発表した。同地区は、エルサレム旧市から北へ約5キロ、グリーン・ラインの東側にある。(12/1 Haaretz)
■クネセト議長「ヘブロンはわれわれのもの」■
クネセト(イスラエル国会)のレウヴェン・リヴリン議長(リクード)は、ヘブロンの「マクペラの洞窟」(イブラーヒーム・モスク)で、イスラエル兵や地区のユダヤ教指導者、神学校生らとともにハヌカー祭り初日を祝い、ヘブロンもエルサレムもイスラエルのものだと強調した。
「ヘブロンは(古代)イスラエル王国とハヌカー生誕の地。独立によってイスラエルに戻ってきた。われわれは侵入者でも簒奪者でもない。ヘブロンは市場で売買されるものではない」とリヴリン議長は語った。
同議長は、イスラエルの土地の如何なる部分でも譲るなら、それはイスラエル国家全体の正当性を否定することになると論じた。(12/1 Jerusalem Post)
ユダヤ教の「マクペラの洞窟」は、イスラームの「イブラーヒーム・モスク」に当り、両宗教の重要な聖地。1994年2月、このモスクで金曜礼拝に集まっていたイスラーム教徒を、極右のイスラエル軍軍医が銃撃、29人を虐殺している。(編集部)
【12月2日(木)】
■フラッシュニュース: イスラエル軍は、同朝、ガザ地区との境界でパレスチナ人2人を殺した。死体からは武器が見つかった。(12/2 Haaretz)
(出典: Haaretz、IMEMC、Jerusalem Post、Maan News、Reuters、Y-net News、共同、読売)
<注1>07年6月、ハニヤ氏はアッバース大統領によって首相を解任され、ファイヤド氏が首相に任命されました。また、アッバース大統領の任期は、昨年1月9日で切れています。法的には、3氏の地位とも問題をかかえています。しかし、パレスチナ自治政府は事実上分裂しており、アッバース氏は、大統領としての権限を行使、ハニヤ氏はガザ政権、ファイヤド氏は西岸政権でそれぞれ「首相」としての職務を行っています。このため、引き続き、ハニヤ氏、ファイヤド氏にはいずれも「首相」、アッバース氏には「大統領」のタイトルを付すことにします。
<注2> 各ニュース記事末尾の(カッコ)内は、その主なニュース源です。必ずしも、元の記事の翻訳や抄訳ではありません。とくに断らない限り、Webサイト上の情報です。日本語ニュースの場合、固有名詞の表記などは、編集者の判断で変えることがあります。
<注3> この速報では、東京外大「日本語で読む中東メディア」と、フランス語紙翻訳グループ「ジャリーダ・ファランスィーヤ」による記事を時々利用させていただいております。編集者の責任で、記事を短縮する場合があります。
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イラン・トルコの外交政策と欧米におけるイスラモフォビア
――排外主義の時代にパレスチナ支援運動のゆくえを考える
■日時:12月5日(日)13時30分 開始(16時45分 終了予定)
■場所:文京区民センター 3階A会議室
東京都文京区本郷4-15-14
http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1754
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園」駅徒歩3分
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日」駅・A2出口直上
■発言:
・佐原徹哉 (明治大学教員)「トルコ現政権の外交・イスラーム化政策とイスラエル・パレスチナ」
・松永泰行 (東京外大・大学院教員)「イラン・シーア派にとってパレスチナ問題とは何か」
・臼杵陽 (日本女子大学教員)「イスラエル支援とイスラモフォビア その共犯関係と齟齬」
■参加費:800円
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パレスチナを忘れないで!~ガザ攻撃から2年
古居みずえ監督作品完成記念トークイベント
『ぼくたちは見た ~ガザ・サムニ家の子どもたち~』
● 『ぼくたちは見た ~ガザ・サムニ家の子どもたち~』
予告編(特別編集版)上映
● ガザの子どもたちを撮って (古居みずえ トーク)
● 最新現地報告 田中好子(パレスチナ子どものキャンペーン)
● 対談 渡辺えり × 古居みずえ
進行 藤屋リカ(日本国際ボランティアセンター)
(一部順不同)
前作『ガーダパレスチナの詩』から5年の月日を経て、古居みずえさんが新しい作品を世に送り出そうとしています。新作は、2008年暮れに始まったイスラエルによるガザ地区への大規模攻撃により心に大きな傷を負った子どもたちが主人公です。現地入りした古居さんが、目の前で家族を殺害されたつらい体験をした子どもたちをテーマに、子どもたちの目線で描いたドキュメンタリーです。
ガザ攻撃から2年経ち、ガザのこと、パレスチナのことはマスメディアからはすっかり忘れられています。しかし残念ながらガザの状況はその後ほとんど変わっていません。今、あらためてガザのこと、子どもたちのことをご一緒に考えてみませんか?
特別編集版の予告編鑑賞後、古居さんから新作と子ども達のことを話していただきます。また、古居さんの熱心なサポーターでもある女優・演出家・劇作家の渡辺えりさんと古居さんの公開対談も行ないます。
■ 日時 12月18日(土) 14:00(13:30開場)
■ 会場 明治大学リバティタワー1032教室
■ 資料代 (一般)1000円 (学生) 500円
■ 共催:古居みずえドキュメンタリー映画支援の会
(http://support-miz.thyme.jp/)
現代史研究会
■ 協力:日本国際ボランティアセンター
パレスチナ子どものキャンペーン
横浜YMCA対人地雷をなくす会
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by halunet
| 2010-12-02 22:25
| パレスチナの平和
























