2010年 09月 07日
この判決こそ市民権と人権に対する窃盗行為だ |
クジラ肉裁判の青森地裁判決を受けて
グリーンピース・ジャパン事務局長 星川 淳
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2年あまりにわたるクジラ肉裁判の第1ラウンドが終わりました。懲役1年、執行猶予3年の不当判決に対し、グリーンピース・ジャパンの佐藤と鈴木は即日控訴しました。ここまで応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます。
青森地裁は、「従来の調査捕鯨活動において一部不明朗な点があった鯨肉の取り扱い」が、「被告人らが本件鯨肉の存在を公表したのを契機に見直された」ことをはっきり認めながら、一方で税金を使った国営事業におけるその“不明朗”さを明朗にしようとする努力、つまり市民・国民の「知る権利」とジャーナリストやNGOの「知らせる責任」を一蹴しました。
日本ではじめて真正面から問われた国際人権(自由権)規約上の「表現の自由」についても、“違法は違法”という初歩的で形式的な判断から一歩も踏み出しませんでした。裁判長は佐藤と鈴木が「捜索・押収に類する」行動をとったことを非難し、また入手したクジラ肉を捜査機関(東京地方検察庁)に届ける前に公表したことが盗みを構成する一要素だと決めつけています。
これは二人の逮捕直後、私が青森地方検察庁で事情聴取を受けたとき、開口一番「NGOの分際で捜査機関さえ令状がなければできないことをやったのは許せない!」と吐き捨てた検察官とそっくりです。国(公権力)がやることに国民・市民は口も手も出すなという、民主主義の真逆の発想ではないでしょうか。捜査機関を裁判所の令状で縛るのは、国(公権力)による市民生活の不当な侵害を防ぐためであって、その論理を市民活動に当てはめようとすること自体が、国民主権に対する底知れぬ無理解を示しています。
今回のようなケースで公共の利益に注目する場合、佐藤と鈴木を罰することによって得られる公共の利益と、二人の行為を容認することによって得られる公共の利益とを天秤にかけ、どちらがより民主的な社会につながるのかを公正・公平に吟味するのが司法本来の仕事だと思いますが、青森地裁がその責任を果たした形跡は見当たりません。国際人権(自由権)規約は、「国内法に違反する」というだけの理由で表現の自由を制限してはならないと定めています。
判決を傍聴するために来日したグリーンピース・インターナショナルの事務局長クミ・ナイドゥは、南アでアパルトヘイトと闘った生い立ちを踏まえて、「この判決こそ市民権と人権に対する窃盗行為だ」と語気を強め、「内部通報者の命がけの情報提供に応えた二人の道義的な行動は、ネルソン・マンデラやマハトマ・ガンディやルーサー・キング牧師の系譜に連なるもの」と述べたうえで、日本政府に対し、この裁判で浮き彫りになった捕鯨船団内の不正について、独立機関による調査を行うよう求めました。
クジラ肉裁判の第2ラウンドは、仙台高等裁判所に進みます。今回の判決が示すとおり、まだまだ“人権の秘境”状態にある日本の民主主義を進化・深化させるために、いますぐグリーンピース・ジャパンのサポーターになってください。この裁判を一緒に闘いましょう!
▼ 日本にグリーンピースのようなNGOが必要だと思う方、ぜひご支援をお願いします。
http://www.youtube.com/user/greenpeacejapan
グリーンピース・ジャパン事務局長 星川 淳
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2年あまりにわたるクジラ肉裁判の第1ラウンドが終わりました。懲役1年、執行猶予3年の不当判決に対し、グリーンピース・ジャパンの佐藤と鈴木は即日控訴しました。ここまで応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます。
青森地裁は、「従来の調査捕鯨活動において一部不明朗な点があった鯨肉の取り扱い」が、「被告人らが本件鯨肉の存在を公表したのを契機に見直された」ことをはっきり認めながら、一方で税金を使った国営事業におけるその“不明朗”さを明朗にしようとする努力、つまり市民・国民の「知る権利」とジャーナリストやNGOの「知らせる責任」を一蹴しました。
日本ではじめて真正面から問われた国際人権(自由権)規約上の「表現の自由」についても、“違法は違法”という初歩的で形式的な判断から一歩も踏み出しませんでした。裁判長は佐藤と鈴木が「捜索・押収に類する」行動をとったことを非難し、また入手したクジラ肉を捜査機関(東京地方検察庁)に届ける前に公表したことが盗みを構成する一要素だと決めつけています。
これは二人の逮捕直後、私が青森地方検察庁で事情聴取を受けたとき、開口一番「NGOの分際で捜査機関さえ令状がなければできないことをやったのは許せない!」と吐き捨てた検察官とそっくりです。国(公権力)がやることに国民・市民は口も手も出すなという、民主主義の真逆の発想ではないでしょうか。捜査機関を裁判所の令状で縛るのは、国(公権力)による市民生活の不当な侵害を防ぐためであって、その論理を市民活動に当てはめようとすること自体が、国民主権に対する底知れぬ無理解を示しています。
今回のようなケースで公共の利益に注目する場合、佐藤と鈴木を罰することによって得られる公共の利益と、二人の行為を容認することによって得られる公共の利益とを天秤にかけ、どちらがより民主的な社会につながるのかを公正・公平に吟味するのが司法本来の仕事だと思いますが、青森地裁がその責任を果たした形跡は見当たりません。国際人権(自由権)規約は、「国内法に違反する」というだけの理由で表現の自由を制限してはならないと定めています。
判決を傍聴するために来日したグリーンピース・インターナショナルの事務局長クミ・ナイドゥは、南アでアパルトヘイトと闘った生い立ちを踏まえて、「この判決こそ市民権と人権に対する窃盗行為だ」と語気を強め、「内部通報者の命がけの情報提供に応えた二人の道義的な行動は、ネルソン・マンデラやマハトマ・ガンディやルーサー・キング牧師の系譜に連なるもの」と述べたうえで、日本政府に対し、この裁判で浮き彫りになった捕鯨船団内の不正について、独立機関による調査を行うよう求めました。
クジラ肉裁判の第2ラウンドは、仙台高等裁判所に進みます。今回の判決が示すとおり、まだまだ“人権の秘境”状態にある日本の民主主義を進化・深化させるために、いますぐグリーンピース・ジャパンのサポーターになってください。この裁判を一緒に闘いましょう!
▼ 日本にグリーンピースのようなNGOが必要だと思う方、ぜひご支援をお願いします。
http://www.youtube.com/user/greenpeacejapan
by halunet
| 2010-09-07 16:38
| 裁判/検察
























