2010年 02月 15日
ナミビア共和国のベーシックインカム実験(2) |
wtrさんのMIXIコミュニティ「Basic Income」からの転載つづきです。
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『BIG - What is it all about?』
原文はこちら
なお、訳文は後から勝手に修正することがあるので、ご了承ください。
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ベーシックインカム給付の概要
ベーシックインカム給付(Basic Income Grant: BIG)とは?
ベーシックインカム給付とは、年齢や所得に関係なくナミビアの全市民に対し、毎月国から支払われる現金給付(たとえば、100ナミビアドル)のことです。貧困に苦しんでいない人に支払われたお金は、税制を通じて回収されます。この給付の主なメリットは、貧困を撲滅し、貧しさと不平等を軽減することによって、すべての人の生活を改善できることにあります。
このような考え方はどこから来たのでしょうか?
2002 年、ナミビア税協会(Namibian Tax Consortium: NAMTAX)は、ナミビアにおけるベーシックインカム給付についての提案を行いました。ナミビア税協会は、ナミビアの現行の税制を見直すよう求められました。ベーシックインカム給付に関する提案は、ナミビアにおける所得の再分配を求める推奨事項の一部です。
この提案では、すべてのナミビア人に現金給付を支払うことを推奨しています。ナミビア税協会は、南アフリカでの議論を参考にしました。南アフリカでは、さまざまなグループ(労働組合、NGO、教会、および総合的な社会保障に関する専門委員会など)がベーシックインカム給付を提案してきました。
ベーシックインカムの給付はどのように行われるのでしょうか?
すべてのナミビア人は、国民年金の受給資格を得る60歳になるまで、ベーシックインカム給付を受け取ることになります。17歳以下の子供の場合は、その保護者が子供の代わりにベーシックインカム給付を受け取ります。実際には、6人世帯の場合で、給付レベルが100ナミビアドルに設定されたとすると、この世帯全体で、毎月国から600ナミビアドルを受け取ることになります。
なぜベーシックインカムが必要なのでしょうか?
全ナミビア人の約3分の2は、貧困ライン(訳注: 平均的な生活水準を保つための最低基準)を下回った状態で生活しています。さらに、ナミビアの所得分配システムは、全世界で最も不平等なものとなっています。この不平等は、植民地化政策や人種隔離政策の最大の負の遺産の1つですが、この不平等の軽減は、正義の問題であるだけでなく、発展途上国における経済的な成長や投資を促進する上での前提条件とも見なされています。
なぜ富裕層の人にもベーシックインカムを受給する資格があるのでしょうか? 最も貧困の影響を受ける人達を対象にすべきではないでしょうか?
家計収入調査に基づいて受給対象者を決める(訳注: ターゲッティング方式と呼ぶ)従来の福祉制度は、コストがかかり、無駄が多く、受給対象者にとってもあまり役に立たないものであることが明らかになっており、また、社会扶助が特定の団体や人に限られてしまうということが分かっています。
行政的な要件の追加という手段を通してターゲッティング方式を適用した場合、最も貧しい人達が、実際には、この福祉制度の恩恵を受ける可能性が最も少ない人達になってしまうのです。これは、彼らが生まれつき、情報へのアクセスという点や、基本的なインフラ設備および政府が提供する各種のサービスの利用という観点からして、最も不利な境遇にいるからです。このようなやり方ではなく代わりに、すべての人に給付することにすれば、貧困に苦しんでいるすべての人に、支援が確実に行き渡るようになります。ベーシックインカム給付は、セルフターゲッティング方式(訳注: 自動的に貧困層のみが貧困削減政策の受益者となる方式)です。逆の経済的インセンティブが働いてしまう、行政的に難しい家計収入調査に頼る必要はありません。
ベーシックインカム給付の場合は、富裕な人が最初に給付を受けます。ただし、税制上の調整を通じて、お金は徐々に回収されます。この調整は次のように行われます。まず、中間所得層の人は給付を受け取りますが、同時に税金が増やされ、給付の分だけ返却されます。これに対し、富裕層の人は、給付で受け取った分よりも多く税金で支払うことになります。富裕層の人は完全納税者となり、所得が有効に再分配されます。こうすることで、社会扶助が1つの権利となり、人を貧富で区別せずに済み、同時に再分配の有効なツールとなるのです。
ベーシックインカム給付のメリットは何ですか?
ベーシックインカム給付の主なメリットは、貧困と不平等を軽減することによって、すべての人の生活を改善できることにあります。すべてのナミビア人はベーシックインカム給付のメリットを享受することになり、誰もが最低限の支援を受けられるようになります。すべての人が、自分自身を支援するための一定のお金を得られるようになります。さらに、ベーシックインカム給付によって、所得が、ナミビアの富裕層の人から貧困層の人へと再分配され、結果として、ナミビアがより公正で平等な社会になります。
研究結果によれば、所得の増加によって、人々が仕事を探す能力が増し、仕事を見つけるチャンスも増えます。このように、ベーシックインカム給付は、セーフティネットであるというだけでなく、人々が仕事を見つけお金を稼ぐためのジャンプ台のようなものともなっているのです。
さらに、ベーシックインカム給付は、皆給付です。つまり、すべての人が給付を受け取るということです。また、家計収入調査を行わないので、人々は、自分が貧しいとか仕事がないとかいうことを証明する必要はありません。家計収入調査に基づく給付の場合、所得が増えると給付を失うので、他の方法で仕事を得たりお金を稼いだりした人にはペナルティが課せられます。この結果、家計収入調査に基づく場合、善かれと思ってなされた現金給付が、却って依存心を生む貧困の罠になってしまう可能性があるのです。これとは対照的に、ベーシックインカムは皆給付であるため、人が仕事を探す意欲をそぐことはなく、代わりに、貧困の悪循環から抜け出し仕事を探すことができるようになります。
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『BIG - What is it all about?』
原文はこちら
なお、訳文は後から勝手に修正することがあるので、ご了承ください。
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ベーシックインカム給付の概要
ベーシックインカム給付(Basic Income Grant: BIG)とは?
ベーシックインカム給付とは、年齢や所得に関係なくナミビアの全市民に対し、毎月国から支払われる現金給付(たとえば、100ナミビアドル)のことです。貧困に苦しんでいない人に支払われたお金は、税制を通じて回収されます。この給付の主なメリットは、貧困を撲滅し、貧しさと不平等を軽減することによって、すべての人の生活を改善できることにあります。
このような考え方はどこから来たのでしょうか?
2002 年、ナミビア税協会(Namibian Tax Consortium: NAMTAX)は、ナミビアにおけるベーシックインカム給付についての提案を行いました。ナミビア税協会は、ナミビアの現行の税制を見直すよう求められました。ベーシックインカム給付に関する提案は、ナミビアにおける所得の再分配を求める推奨事項の一部です。
この提案では、すべてのナミビア人に現金給付を支払うことを推奨しています。ナミビア税協会は、南アフリカでの議論を参考にしました。南アフリカでは、さまざまなグループ(労働組合、NGO、教会、および総合的な社会保障に関する専門委員会など)がベーシックインカム給付を提案してきました。
ベーシックインカムの給付はどのように行われるのでしょうか?
すべてのナミビア人は、国民年金の受給資格を得る60歳になるまで、ベーシックインカム給付を受け取ることになります。17歳以下の子供の場合は、その保護者が子供の代わりにベーシックインカム給付を受け取ります。実際には、6人世帯の場合で、給付レベルが100ナミビアドルに設定されたとすると、この世帯全体で、毎月国から600ナミビアドルを受け取ることになります。
なぜベーシックインカムが必要なのでしょうか?
全ナミビア人の約3分の2は、貧困ライン(訳注: 平均的な生活水準を保つための最低基準)を下回った状態で生活しています。さらに、ナミビアの所得分配システムは、全世界で最も不平等なものとなっています。この不平等は、植民地化政策や人種隔離政策の最大の負の遺産の1つですが、この不平等の軽減は、正義の問題であるだけでなく、発展途上国における経済的な成長や投資を促進する上での前提条件とも見なされています。
なぜ富裕層の人にもベーシックインカムを受給する資格があるのでしょうか? 最も貧困の影響を受ける人達を対象にすべきではないでしょうか?
家計収入調査に基づいて受給対象者を決める(訳注: ターゲッティング方式と呼ぶ)従来の福祉制度は、コストがかかり、無駄が多く、受給対象者にとってもあまり役に立たないものであることが明らかになっており、また、社会扶助が特定の団体や人に限られてしまうということが分かっています。
行政的な要件の追加という手段を通してターゲッティング方式を適用した場合、最も貧しい人達が、実際には、この福祉制度の恩恵を受ける可能性が最も少ない人達になってしまうのです。これは、彼らが生まれつき、情報へのアクセスという点や、基本的なインフラ設備および政府が提供する各種のサービスの利用という観点からして、最も不利な境遇にいるからです。このようなやり方ではなく代わりに、すべての人に給付することにすれば、貧困に苦しんでいるすべての人に、支援が確実に行き渡るようになります。ベーシックインカム給付は、セルフターゲッティング方式(訳注: 自動的に貧困層のみが貧困削減政策の受益者となる方式)です。逆の経済的インセンティブが働いてしまう、行政的に難しい家計収入調査に頼る必要はありません。
ベーシックインカム給付の場合は、富裕な人が最初に給付を受けます。ただし、税制上の調整を通じて、お金は徐々に回収されます。この調整は次のように行われます。まず、中間所得層の人は給付を受け取りますが、同時に税金が増やされ、給付の分だけ返却されます。これに対し、富裕層の人は、給付で受け取った分よりも多く税金で支払うことになります。富裕層の人は完全納税者となり、所得が有効に再分配されます。こうすることで、社会扶助が1つの権利となり、人を貧富で区別せずに済み、同時に再分配の有効なツールとなるのです。
ベーシックインカム給付のメリットは何ですか?
ベーシックインカム給付の主なメリットは、貧困と不平等を軽減することによって、すべての人の生活を改善できることにあります。すべてのナミビア人はベーシックインカム給付のメリットを享受することになり、誰もが最低限の支援を受けられるようになります。すべての人が、自分自身を支援するための一定のお金を得られるようになります。さらに、ベーシックインカム給付によって、所得が、ナミビアの富裕層の人から貧困層の人へと再分配され、結果として、ナミビアがより公正で平等な社会になります。
研究結果によれば、所得の増加によって、人々が仕事を探す能力が増し、仕事を見つけるチャンスも増えます。このように、ベーシックインカム給付は、セーフティネットであるというだけでなく、人々が仕事を見つけお金を稼ぐためのジャンプ台のようなものともなっているのです。
さらに、ベーシックインカム給付は、皆給付です。つまり、すべての人が給付を受け取るということです。また、家計収入調査を行わないので、人々は、自分が貧しいとか仕事がないとかいうことを証明する必要はありません。家計収入調査に基づく給付の場合、所得が増えると給付を失うので、他の方法で仕事を得たりお金を稼いだりした人にはペナルティが課せられます。この結果、家計収入調査に基づく場合、善かれと思ってなされた現金給付が、却って依存心を生む貧困の罠になってしまう可能性があるのです。これとは対照的に、ベーシックインカムは皆給付であるため、人が仕事を探す意欲をそぐことはなく、代わりに、貧困の悪循環から抜け出し仕事を探すことができるようになります。
by halunet
| 2010-02-15 12:40
| ベーシックインカム
























