2009年 11月 22日
北朝鮮の生の姿を知りたい |
長井 康平(「わくわく村しんぶん」11月号から)
日本国際ボランティアセンター(JVC)事務局長の清水俊弘さんといえば、韮崎のベーカリー・カフェ「お茶の時間」のオーナーとして知る人ぞ知る方だ。北朝鮮へ5年前から毎年8月に訪れている。「怖い国」としてしか伝わってこない北朝鮮は本当はどんな国?「北朝鮮の人々との交流を通じて」と題して話を聴く会が14日蔵やグリーンズであった。八ヶ岳オトタネプロジェクトの主催。
わくわくの集まりとはまた違う顔ぶれが清水さんを囲んだ。ビデオ、写真の上映も。じかに接したあの国の様子・・・
JVCは10年以上、北朝鮮との交流をはかり、ようやく信頼関係が築かれつつあるという。小学校、保育園を訪問し子供たちの絵画交流を続けている。両国の子供の絵を展示、その様子を映像で伝え、子供らのメッセージを伝える。今年8月には朝鮮学校の子供らとともに絵本作家の田島征三さんが同行、なごやかに絵本の読み聞かせをした。
韓国から子供らと画家を招き「平和の木」のテーマで子供らに画用紙に絵を描いてもらい、切り張りしてさらに画家の助けで大きな木にしてもらう。それを、北朝鮮に持って行き、子供たちに同じ作業をしてもらい、「平和の木」を完成させた。
3年ほど前にはイラストレーター黒田征太郎さんが同行、おとなしい手本どおりの絵しか描かない子供たちが目を丸くした。
ジャズピアニスト河野康弘さんが即興のメロディーを披露し、合わせて「ワッハッハ」と笑い声を入れて楽しませると、帰り際には先生たちが笑顔で「ワッハッハ」と見送ってくれた。
空港からピョンヤン(平壌)市内まで道路沿いの看板は一つだけ。それも北朝鮮製らしい車のもの。ケータイは持ち込めない。コーラのようなペットボトル入り飲料はある。地下鉄がある。バス、自転車が多く、みながんがん歩く。高速道路はないが、一般道を高速で走れる。
北朝鮮の人々のメンタリティーは、戦争が続いている臨戦態勢から生まれている。日米韓の軍事的動向に敏感だ。拉致問題を持ち出せば、そもそも日本が朝鮮人を強制連行し亡くなった人の遺骨さえ返さないではないか、という話になる。関東大震災時の朝鮮人虐殺までさかのぼる。
北朝鮮からの報道というと、ミサイル発射とか日米韓批判とか、どれもいかめしい調子のアナウンサーの姿しか見えない。向こうのテレビはあんなニュースしかやっていないのか、と若い参加者から質問が出たのも当然だ。清水さんの答えは「メロドラマのようなものもやってますよ」。バラエティ番組らしいものもあるようだ。
「150日戦闘」というスローガンが掲げられた。日本のマスコミが「過酷な労働を課した150日戦闘」と報じた。だが実態は職場ごとに活動目標を作る程度のものでしかない。以前同行した日本のテレビがおどろおどろしいBGMで映像を流した。どれも型にはまった報道姿勢ではないか、と清水さん。
絵画交流の展示を日本各地で催している。新潟でやった時、拉致被害者の曽我ひとみさんの娘ブリンダさんが見に来た。「懐かしかった」と礼を言って帰った。
北朝鮮の人権問題も当然扱うべきだが、それで全体をくくるべきではない。子供らの交流をおとなの交流へと進めたい。これが、この集まりの参加者と清水さんの一致した声だった。
by halunet
| 2009-11-22 09:46
| アジアと日本
























