2007年 01月 12日
山梨県知事選候補者アンケート |
竹内雅子
以前もお伝えした「HELP in 山梨準備会」のほうから、今回の知事選立候補者へのアンケートの結果が送られてきました。
**********
民間シェルター「HELP in山梨準備会」では、今回の知事選に立候補された4人の方に公開質問をいたしました。その結果をまとめましたので、どうぞご覧くださって参考にして下さい。そして友達に転送(紹介)できる方はどんどん送って、広めてください。よろしくお願い致します。
また、山梨日日新聞社ではこれを取り上げて下さり、近日中に紹介されます
森川茂子
2006.12.25
民間シェルター HELP in やまなし準備会
会長 時田 理香
歳晩の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。山梨をよりよい県にするために知事選へ立候補される予定の方々へ、お考えを知りたく質問状をお送りしました。
私どもは、女性の権利と自立を支援する女性のための緊急避難センターを設立する準備をすすめている民間シェルター HELP in やまなし準備会と申します。現在、市民が連携をしながら勉強会を開き、女性への暴力・被害者支援について学びながら啓発に努め、シェルター開設へ向けて準備をしております。
今日、子ども達が3日に1人の割合で虐待によって死亡しており、虐待防止に各関係機関が連携を深め、力を注いでいるところであります。虐待をしてしまう女性の20%は、ドメスティック・バイオレンス(夫・恋人などからの暴力、DV)被害者であると、WHOは発表しています。妊婦の4人に1人が被害にあっており、安心して子育てをする環境にありません。さらに若い女性たちの18%が恋人から暴力を受けるデートDVの被害にあっています。そして子どもの虐待死と同様3日に1人の割合で女性が夫や恋人から殺されています。
しかし、未だ関係機関の連携が十分とは言えず、適切な支援がなされていない状況です。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が誕生して5年が経過いたしましたが、3人に1人がDV被害を体験し、20人に1人が殺されるかもしれない危険な被害にあっているという現実は、法律が改正されたにもかかわらず、DV犯罪がむしろ深刻化していることをあらわしています。
そこで、私たちは知事選候補者である貴方が、現状の女性への暴力、ドメスティック・バイオレンス(夫・恋人などからの暴力、DV)防止および被害者の保護・支援に関する事について、どのようにお考えか伺います。 回答書は2006年12月31日までにメールか郵送でお送り下さいますよう、よろしくお願いいたします。 いただいた回答は広く県民にお知らせする予定です。
『山梨県配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画』が平成17年12月に策定されました。しかし、具体的な計画の目標数値・目標年度が出されておりません。 下記の質問に貴方は、いつまでに、何を、どのように計画しますか。
Ⅰ. 配偶者暴力防止に向けた啓発についてお尋ねします。
2004年の児童虐待防止法の改正で、DV家庭にいる子どもは精神的虐待を受けていることとされました。学校教育における人権教育の中に、DV防止教育・虐待防止教育を位置づけることや、外国籍の女性、障がいを抱えた女性、高齢女性など、特別な配慮を必要とする当事者に十分な情報が届くよう啓発教育素材に工夫が必要です。学校へ外部講師の講師料の補助、点字リーフレット、ファックス相談、多言語対応リーフレット、多言語相談窓口などが考えられますが、いかがでしょうか。
<石原さん>
・DV防止教育・虐待防止教育について
虐待やいじめは受けた経験のある人が、加害者になるケースが多いという統計が出されています。DVも含め連鎖を断つことが重要です。そのために、DV・虐待防止など人権教育を強めることです。啓発教材の作成や講師補助など実現します。
外国籍や障害者など特別に配慮が必要な人の相談などに十分な対応ができる人材の配置、リーフレットの作成を行ないます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 女性と男性が互いにその人権を尊重し、また責任も分かち合いながら、その個性と能力を100%発揮することができるような社会を創ることが大切だと考えています。
○ そうした中での配偶者からの暴力は、犯罪となるようなケースも多く含まれるなど、極めて重要な課題だと考えています。
○ 被害者の多くが女性であることから、どうしても社会的関心は低いまま推移してきているのが実態だと思えます。
○ 早期に県民全体で、配偶者からの暴力を許さないという意識を高める必要があります。
○ そのためには、学校から家庭、職場、地域などあらゆる場面を通じて啓発していく必要があります。
○ とりわけ、子供の頃からの教育は大切であり、ご提案のようなさまざまな手段を講じていく必要があると考えます。
<山本さん>
現在、配偶者の暴力の特性や被害者の保護の仕組みについて、県のホームページへの掲載やパンフレットの配布等により情報提供を行っています。なお、外国籍や障害を抱えた女性のため英語、タガログ語、中国語、韓国語等7ヵ国語によるリーフレットや点字リーフレットなどにより、的確な情報が伝わるよう努めています。
また、ファクスによる相談や外国籍の女性からの相談についても、その都度適切な対応をしていますが、今後も、リーフレットの内容や多様な相談体制について充実に努めます。
学校教育での人権教育については、これまでも授業等を通して人権教育を実施しています。また、男共同参画センターの出前講座や県政出張講座などにより外部講師の活用も図ることが可能です。
こうした取り組みを充実し、今後とも配偶者からの暴力の防止や人権についての普及啓発に努めていきます。
<金子さん>
回答する前に、まず、ご活動に敬意を評します。
さて、ご回答ですが、特に、女性を対象とした暴力について、経済発展先進国と言われる日本での認識度は、後進国であることを認めざるをえません。世界の中での女性の社会進出度、社会的地位の低さも、そのことを裏付けています。
まずは、当事者が、そして、それを知った者だれもが声を上げなければ問題が顕在化しません。さらに、そこに社会的支援を行政が担うべきことは、言うまでもないことです。
ご指摘のように、子供達の学校教育の場で、暴力に訴えない学習や、被害児童への育みを学びあうことは、教科書の学び以上に大切なことだと思います。
また、国籍や立場を問わず、特別な配慮を必要とする当事者には特に、不利な立場に陥らないための情報提供や啓発のためのサポートは、もっと積極的に取り組む必要があると考えます。
Ⅱ. 配偶者からの暴力についての通報及びその対応について、お尋ねします。医療関係者の適切な対応と通報努力義務に関する具体的なマニュアルを作成する必要があると考えております。また被害者の安全を最優先措置とする警察の積極的介入策の徹底が求められていますが、どのようにお考えでしょうか。先進県の鳥取のマニュアルを同封いたしましたので、ご活用下さい。
<石原さん>
配偶者などから暴力を受けた場合、医療機関が早期発見・救済しやすいところです。鳥取県のマニュアルに学び、子どもの虐待と同様に医療機関関係者への適切な対応を記したマニュアルの作成とその徹底をはかります。警察の介入については、被害状況や被害者の意志を尊重しますが、まずDVと判断したら、配偶者暴力相支援センターへの通報を医療機関に義務づけます。
2007年度以内
<横内さん>
○ 配偶者からの暴力による被害者の多くが女性であり、女性であるがために表面に出ず、重大な事態に発展してしまうことが多々あります。
○ 未然に防止するためには、限りなく早期にDV被害を発見し、関係者が一体となって>適切に対応することだと考えます。
○ 医療機関は正に早期発見のための大切なファーストステージだと思います。
○ ご提案の医療関係者の通報に関するマニュアルはとても有効な手段だと思われ、具体的に検討を進めるべきだと思います。
○ さらに、被害者の安全に関する警察の介入については、個人のプライバシー保護の問題や警察による過度の介入といった問題も考えられますので、さらに議論を深め、多くの方の理解も得た上で進めたいと考えます。
<山本さん>
医療関係者の対応等を含めた相談関係者向けのマニュアルについて、作成を進めていきます。
<金子さん>
まず、医療機関DV対策協議会を設置し、医療関係者と支援活動団体、行政の構成委員からなる協議を経て、医療機関の対応マニュアルづくりが必要であると考えます。また、警察の積極的介入には、疑問があります。警察に求められることとその限界について充分把握し、あくまでも当事者の利益となるかどうかを諮ることだと思います。権威的機関が必ずしも有益な役割を果たすとは限らないからです。反って、純粋に人権サポートをする組織がイニシャティブをとって、医療機関や警察、行政に「これこれのサポートが必要です」と言える関係が望ましいと思います。
Ⅲ. 配偶者暴力相談支援センター内の一時保護施設への入所条件の緩和について、お尋ねしま
す。 県内の被害者が、よりよい支援を求めて東京などの県外へ逃げている状況はご存知でしょうか。被害者の保護について、集団生活に耐えられることを入所の条件にしている限り、特に障がいを抱えた女性、外国籍女性、高齢女性への支援が十分とは言えないと感じています。また女性とともに入所する子ども達一人一人の回復をはかるために、手厚いサポートが必要です。保護について、入所施設について、どのように考えておりますか。
<石原さん>
配偶者から暴力を受け、保護をもとめてくる人は、強い恐怖感・無力感を持っています。精神的・経済的負担を軽くすることが重要です。特別に配慮することが必要な人も含め、一時保護施設の個室化をすすめます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 現在、社会生活環境も大きく変化し、家族の間においても、各人の生活空間とプライバシーが確保されるようになっています。
○ こうした状況の中で、一時的とはいえ突然集団生活を余儀なくされるということは、被害者にとってのストレスは想像以上のものであると思われます。
○ 県内の被害者が県外に行くという話は事実として伺っておりますが、その理由については>具体的に承知いたしておりません。
○ いずれにしても、被害者の方の中には、さまざまな事情を抱えた方が多くおります。そうした人たちが心から安心して生活できる環境が必要です。
○ 既存の県や市町村の施設を有効に活用することも含め、施設そしてソフト面でのサポート、両面において取り組みを強化する必要があると考えます。
<山本さん>
被害者の国籍や障害の有無を問わず、相談・保護を行い、外国語通訳の雇上げや、児童相談所との連携による同伴児童へのケアなどにより、引き続き被害者の安心・安全の確保に努めていきます。
<金子さん>
まず、実態の把握が必要です。それも緊急に。しかも、ていねいな調査が必要です。
必ずしも、シェルターは県内がいいとは思いませんが、まず県内で、段階に応じて対応出来るシステムと、入所できる体制を整える必要があります。
Ⅳ. 自立支援についてお尋ねします。就労支援は自立支援施策の核心ですが、中高年女性の就業先は決定的に少ない状況です。さらに技術・資格・経験を持つ女性も多数存在しますが、仕事も投げ捨て脱出するために、キャリアの継続を果たすことが難しいのです。こうした女性たちを積極的に雇用する企業ネットワークを作り、優遇策を講じるなどが考えられます。実行可能でしょうか。
<石原さん>
就労支援は、被害者の自立・生活再建のうえで重要な支援です。企業のネットワーク化や就職情報の提供、再就職のための職業訓練にも力を入れるなど、就労支援を強めます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 経済的に自立するための就労は被害者にとってもっとも深刻な問題です。
○ このことが解決できれば、被害者の大部分の方が精神的に救われるといっても過言ではないと思います。
○ これからの課題はまさに中高年女性の就労機会の拡充強化だと思われます。
○ 当然、既存の能力開発センターや就労支援センターの機能はフルに活用することになりますが、さらに、県が主導する形で、民間企業の協力・支援をいただきながら就労の場を確保するという取り組みは必要と考えます。
<山本さん>
経済的自立のためには、就業の確保が必要であり、就業支援センターや職業訓練施設と連 携しキャリアアップを図ったり、公共職業安定所や県の無料職業紹介事業所「人材紹介バンクやまなし」などと連携し職業紹介を行うなど、DV被害者の自立支援に努めていきます。
<金子さん>
実行可能だと思います。これからは、こういうサポート体制が特に必要です。遅れていると感じています。
Ⅴ. 人材育成について、お尋ねします。民間も含めた多くの人的資源を活用しなければ、支援は十分とは思えません。職務関係者だけでなく、民間との連携の一環で関係者全体での研修を実施していくことが必須です。基本研修・専門研修などと継続的に展開する必要があります。現在、配偶者暴力相談支援センターの相談員は非常勤ばかりで相談業務に不慣れな方もあるとききますが、児童虐待防止指導幹があるように、DV防止指導幹を配置するなど、スペシャリストを育てることについて、どのようにお考えでしょうか。
<石原さん>
被害者の保護、自立支援のために、情報提供、助言、関係機関との連絡調整など総合的に支援する相談員やシェルターの職員の身分を保障し、必要な増員をはかること、また、専門職として研修を制度化することが重要です。
DV防止指導幹の配置も含め、正規職員の配置、職員の資質の向上、増員を行ないます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 配偶者による暴力防止に向けては、すべての県民を巻き込むような形での運動や取り組みが必要になると思われます。
○ より多くの人が身近でこの問題に関心を持ち、監視の目を持つことが重要だと思います。
○ そのためには、この問題について県民各界各層のより多くの方々が参画することが大切だと思います。
○ そして、一定の研修も必要になると同時に所管する行政には専門的な立場の人材も必要になると思われます。
<山本さん>
全国や地域ブロック会議における研修、国立女性教育会館のセミナー、内閣府のDV被害者支援アドバイザー派遣事業の活用などにより職員研修を実施し、職員の勤務形態・配置については、業務の実態に即して決定しておりますが、引き続き資質の向上に努めます。
<金子さん>
ぜひ必要だと思います。取り敢えず、ボランティアで賄う、という対応が殆どです。まともに給与が出せないという理由なのだと思います。しかし、他に無駄な支出を見直せばできることだと思います。
Ⅵ. 民間サポート団体への援助について、お尋ねします。支援活動が安定するために、補助金などの公的助成をすることや、利用が少ないもしくは利用されていない公的施設を民間へ貸し出すことは考えておりますか。
<石原さん>
DV被害者の自立・生活再建支援にとって、行政の役割と合わせ民間サポート団体の役割はたいへん重要です。支援活動が安定するまでの運営費補助金など公的助成を強めます。
利用されていない公的施設の民間への貸し出しについては、他団体との関係も含め、十分な検討が必要と考えます。
2007年度以内
<横内さん>
○ 配偶者暴力防止に関する民間サポート団体は、現在、ボランティアを中心に地道な活動を行っていただいていることは承知いたしております。
○ しかし、その活動にもさまざまな制約の中で限界があることも事実だと思われます。
○ 何とか、そうした団体を行政が経済的支援を行うだけでも活性化につながるのではないかと思います。公的施設の有効活用も含めて検討する必要があります。
<山本さん>
行政と民間団体の連携のあり方について検討して参ります。
<金子さん>
補助金等の公的助成はおおいに考えられると思います。空いている公的施設利用
は、積極的に活用されることを歓迎します。
ご協力、ありがとうございました。
以前もお伝えした「HELP in 山梨準備会」のほうから、今回の知事選立候補者へのアンケートの結果が送られてきました。
**********
民間シェルター「HELP in山梨準備会」では、今回の知事選に立候補された4人の方に公開質問をいたしました。その結果をまとめましたので、どうぞご覧くださって参考にして下さい。そして友達に転送(紹介)できる方はどんどん送って、広めてください。よろしくお願い致します。
また、山梨日日新聞社ではこれを取り上げて下さり、近日中に紹介されます
森川茂子
2006.12.25
民間シェルター HELP in やまなし準備会
会長 時田 理香
歳晩の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。山梨をよりよい県にするために知事選へ立候補される予定の方々へ、お考えを知りたく質問状をお送りしました。
私どもは、女性の権利と自立を支援する女性のための緊急避難センターを設立する準備をすすめている民間シェルター HELP in やまなし準備会と申します。現在、市民が連携をしながら勉強会を開き、女性への暴力・被害者支援について学びながら啓発に努め、シェルター開設へ向けて準備をしております。
今日、子ども達が3日に1人の割合で虐待によって死亡しており、虐待防止に各関係機関が連携を深め、力を注いでいるところであります。虐待をしてしまう女性の20%は、ドメスティック・バイオレンス(夫・恋人などからの暴力、DV)被害者であると、WHOは発表しています。妊婦の4人に1人が被害にあっており、安心して子育てをする環境にありません。さらに若い女性たちの18%が恋人から暴力を受けるデートDVの被害にあっています。そして子どもの虐待死と同様3日に1人の割合で女性が夫や恋人から殺されています。
しかし、未だ関係機関の連携が十分とは言えず、適切な支援がなされていない状況です。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が誕生して5年が経過いたしましたが、3人に1人がDV被害を体験し、20人に1人が殺されるかもしれない危険な被害にあっているという現実は、法律が改正されたにもかかわらず、DV犯罪がむしろ深刻化していることをあらわしています。
そこで、私たちは知事選候補者である貴方が、現状の女性への暴力、ドメスティック・バイオレンス(夫・恋人などからの暴力、DV)防止および被害者の保護・支援に関する事について、どのようにお考えか伺います。 回答書は2006年12月31日までにメールか郵送でお送り下さいますよう、よろしくお願いいたします。 いただいた回答は広く県民にお知らせする予定です。
『山梨県配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画』が平成17年12月に策定されました。しかし、具体的な計画の目標数値・目標年度が出されておりません。 下記の質問に貴方は、いつまでに、何を、どのように計画しますか。
Ⅰ. 配偶者暴力防止に向けた啓発についてお尋ねします。
2004年の児童虐待防止法の改正で、DV家庭にいる子どもは精神的虐待を受けていることとされました。学校教育における人権教育の中に、DV防止教育・虐待防止教育を位置づけることや、外国籍の女性、障がいを抱えた女性、高齢女性など、特別な配慮を必要とする当事者に十分な情報が届くよう啓発教育素材に工夫が必要です。学校へ外部講師の講師料の補助、点字リーフレット、ファックス相談、多言語対応リーフレット、多言語相談窓口などが考えられますが、いかがでしょうか。
<石原さん>
・DV防止教育・虐待防止教育について
虐待やいじめは受けた経験のある人が、加害者になるケースが多いという統計が出されています。DVも含め連鎖を断つことが重要です。そのために、DV・虐待防止など人権教育を強めることです。啓発教材の作成や講師補助など実現します。
外国籍や障害者など特別に配慮が必要な人の相談などに十分な対応ができる人材の配置、リーフレットの作成を行ないます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 女性と男性が互いにその人権を尊重し、また責任も分かち合いながら、その個性と能力を100%発揮することができるような社会を創ることが大切だと考えています。
○ そうした中での配偶者からの暴力は、犯罪となるようなケースも多く含まれるなど、極めて重要な課題だと考えています。
○ 被害者の多くが女性であることから、どうしても社会的関心は低いまま推移してきているのが実態だと思えます。
○ 早期に県民全体で、配偶者からの暴力を許さないという意識を高める必要があります。
○ そのためには、学校から家庭、職場、地域などあらゆる場面を通じて啓発していく必要があります。
○ とりわけ、子供の頃からの教育は大切であり、ご提案のようなさまざまな手段を講じていく必要があると考えます。
<山本さん>
現在、配偶者の暴力の特性や被害者の保護の仕組みについて、県のホームページへの掲載やパンフレットの配布等により情報提供を行っています。なお、外国籍や障害を抱えた女性のため英語、タガログ語、中国語、韓国語等7ヵ国語によるリーフレットや点字リーフレットなどにより、的確な情報が伝わるよう努めています。
また、ファクスによる相談や外国籍の女性からの相談についても、その都度適切な対応をしていますが、今後も、リーフレットの内容や多様な相談体制について充実に努めます。
学校教育での人権教育については、これまでも授業等を通して人権教育を実施しています。また、男共同参画センターの出前講座や県政出張講座などにより外部講師の活用も図ることが可能です。
こうした取り組みを充実し、今後とも配偶者からの暴力の防止や人権についての普及啓発に努めていきます。
<金子さん>
回答する前に、まず、ご活動に敬意を評します。
さて、ご回答ですが、特に、女性を対象とした暴力について、経済発展先進国と言われる日本での認識度は、後進国であることを認めざるをえません。世界の中での女性の社会進出度、社会的地位の低さも、そのことを裏付けています。
まずは、当事者が、そして、それを知った者だれもが声を上げなければ問題が顕在化しません。さらに、そこに社会的支援を行政が担うべきことは、言うまでもないことです。
ご指摘のように、子供達の学校教育の場で、暴力に訴えない学習や、被害児童への育みを学びあうことは、教科書の学び以上に大切なことだと思います。
また、国籍や立場を問わず、特別な配慮を必要とする当事者には特に、不利な立場に陥らないための情報提供や啓発のためのサポートは、もっと積極的に取り組む必要があると考えます。
Ⅱ. 配偶者からの暴力についての通報及びその対応について、お尋ねします。医療関係者の適切な対応と通報努力義務に関する具体的なマニュアルを作成する必要があると考えております。また被害者の安全を最優先措置とする警察の積極的介入策の徹底が求められていますが、どのようにお考えでしょうか。先進県の鳥取のマニュアルを同封いたしましたので、ご活用下さい。
<石原さん>
配偶者などから暴力を受けた場合、医療機関が早期発見・救済しやすいところです。鳥取県のマニュアルに学び、子どもの虐待と同様に医療機関関係者への適切な対応を記したマニュアルの作成とその徹底をはかります。警察の介入については、被害状況や被害者の意志を尊重しますが、まずDVと判断したら、配偶者暴力相支援センターへの通報を医療機関に義務づけます。
2007年度以内
<横内さん>
○ 配偶者からの暴力による被害者の多くが女性であり、女性であるがために表面に出ず、重大な事態に発展してしまうことが多々あります。
○ 未然に防止するためには、限りなく早期にDV被害を発見し、関係者が一体となって>適切に対応することだと考えます。
○ 医療機関は正に早期発見のための大切なファーストステージだと思います。
○ ご提案の医療関係者の通報に関するマニュアルはとても有効な手段だと思われ、具体的に検討を進めるべきだと思います。
○ さらに、被害者の安全に関する警察の介入については、個人のプライバシー保護の問題や警察による過度の介入といった問題も考えられますので、さらに議論を深め、多くの方の理解も得た上で進めたいと考えます。
<山本さん>
医療関係者の対応等を含めた相談関係者向けのマニュアルについて、作成を進めていきます。
<金子さん>
まず、医療機関DV対策協議会を設置し、医療関係者と支援活動団体、行政の構成委員からなる協議を経て、医療機関の対応マニュアルづくりが必要であると考えます。また、警察の積極的介入には、疑問があります。警察に求められることとその限界について充分把握し、あくまでも当事者の利益となるかどうかを諮ることだと思います。権威的機関が必ずしも有益な役割を果たすとは限らないからです。反って、純粋に人権サポートをする組織がイニシャティブをとって、医療機関や警察、行政に「これこれのサポートが必要です」と言える関係が望ましいと思います。
Ⅲ. 配偶者暴力相談支援センター内の一時保護施設への入所条件の緩和について、お尋ねしま
す。 県内の被害者が、よりよい支援を求めて東京などの県外へ逃げている状況はご存知でしょうか。被害者の保護について、集団生活に耐えられることを入所の条件にしている限り、特に障がいを抱えた女性、外国籍女性、高齢女性への支援が十分とは言えないと感じています。また女性とともに入所する子ども達一人一人の回復をはかるために、手厚いサポートが必要です。保護について、入所施設について、どのように考えておりますか。
<石原さん>
配偶者から暴力を受け、保護をもとめてくる人は、強い恐怖感・無力感を持っています。精神的・経済的負担を軽くすることが重要です。特別に配慮することが必要な人も含め、一時保護施設の個室化をすすめます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 現在、社会生活環境も大きく変化し、家族の間においても、各人の生活空間とプライバシーが確保されるようになっています。
○ こうした状況の中で、一時的とはいえ突然集団生活を余儀なくされるということは、被害者にとってのストレスは想像以上のものであると思われます。
○ 県内の被害者が県外に行くという話は事実として伺っておりますが、その理由については>具体的に承知いたしておりません。
○ いずれにしても、被害者の方の中には、さまざまな事情を抱えた方が多くおります。そうした人たちが心から安心して生活できる環境が必要です。
○ 既存の県や市町村の施設を有効に活用することも含め、施設そしてソフト面でのサポート、両面において取り組みを強化する必要があると考えます。
<山本さん>
被害者の国籍や障害の有無を問わず、相談・保護を行い、外国語通訳の雇上げや、児童相談所との連携による同伴児童へのケアなどにより、引き続き被害者の安心・安全の確保に努めていきます。
<金子さん>
まず、実態の把握が必要です。それも緊急に。しかも、ていねいな調査が必要です。
必ずしも、シェルターは県内がいいとは思いませんが、まず県内で、段階に応じて対応出来るシステムと、入所できる体制を整える必要があります。
Ⅳ. 自立支援についてお尋ねします。就労支援は自立支援施策の核心ですが、中高年女性の就業先は決定的に少ない状況です。さらに技術・資格・経験を持つ女性も多数存在しますが、仕事も投げ捨て脱出するために、キャリアの継続を果たすことが難しいのです。こうした女性たちを積極的に雇用する企業ネットワークを作り、優遇策を講じるなどが考えられます。実行可能でしょうか。
<石原さん>
就労支援は、被害者の自立・生活再建のうえで重要な支援です。企業のネットワーク化や就職情報の提供、再就職のための職業訓練にも力を入れるなど、就労支援を強めます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 経済的に自立するための就労は被害者にとってもっとも深刻な問題です。
○ このことが解決できれば、被害者の大部分の方が精神的に救われるといっても過言ではないと思います。
○ これからの課題はまさに中高年女性の就労機会の拡充強化だと思われます。
○ 当然、既存の能力開発センターや就労支援センターの機能はフルに活用することになりますが、さらに、県が主導する形で、民間企業の協力・支援をいただきながら就労の場を確保するという取り組みは必要と考えます。
<山本さん>
経済的自立のためには、就業の確保が必要であり、就業支援センターや職業訓練施設と連 携しキャリアアップを図ったり、公共職業安定所や県の無料職業紹介事業所「人材紹介バンクやまなし」などと連携し職業紹介を行うなど、DV被害者の自立支援に努めていきます。
<金子さん>
実行可能だと思います。これからは、こういうサポート体制が特に必要です。遅れていると感じています。
Ⅴ. 人材育成について、お尋ねします。民間も含めた多くの人的資源を活用しなければ、支援は十分とは思えません。職務関係者だけでなく、民間との連携の一環で関係者全体での研修を実施していくことが必須です。基本研修・専門研修などと継続的に展開する必要があります。現在、配偶者暴力相談支援センターの相談員は非常勤ばかりで相談業務に不慣れな方もあるとききますが、児童虐待防止指導幹があるように、DV防止指導幹を配置するなど、スペシャリストを育てることについて、どのようにお考えでしょうか。
<石原さん>
被害者の保護、自立支援のために、情報提供、助言、関係機関との連絡調整など総合的に支援する相談員やシェルターの職員の身分を保障し、必要な増員をはかること、また、専門職として研修を制度化することが重要です。
DV防止指導幹の配置も含め、正規職員の配置、職員の資質の向上、増員を行ないます。
2008年度以内
<横内さん>
○ 配偶者による暴力防止に向けては、すべての県民を巻き込むような形での運動や取り組みが必要になると思われます。
○ より多くの人が身近でこの問題に関心を持ち、監視の目を持つことが重要だと思います。
○ そのためには、この問題について県民各界各層のより多くの方々が参画することが大切だと思います。
○ そして、一定の研修も必要になると同時に所管する行政には専門的な立場の人材も必要になると思われます。
<山本さん>
全国や地域ブロック会議における研修、国立女性教育会館のセミナー、内閣府のDV被害者支援アドバイザー派遣事業の活用などにより職員研修を実施し、職員の勤務形態・配置については、業務の実態に即して決定しておりますが、引き続き資質の向上に努めます。
<金子さん>
ぜひ必要だと思います。取り敢えず、ボランティアで賄う、という対応が殆どです。まともに給与が出せないという理由なのだと思います。しかし、他に無駄な支出を見直せばできることだと思います。
Ⅵ. 民間サポート団体への援助について、お尋ねします。支援活動が安定するために、補助金などの公的助成をすることや、利用が少ないもしくは利用されていない公的施設を民間へ貸し出すことは考えておりますか。
<石原さん>
DV被害者の自立・生活再建支援にとって、行政の役割と合わせ民間サポート団体の役割はたいへん重要です。支援活動が安定するまでの運営費補助金など公的助成を強めます。
利用されていない公的施設の民間への貸し出しについては、他団体との関係も含め、十分な検討が必要と考えます。
2007年度以内
<横内さん>
○ 配偶者暴力防止に関する民間サポート団体は、現在、ボランティアを中心に地道な活動を行っていただいていることは承知いたしております。
○ しかし、その活動にもさまざまな制約の中で限界があることも事実だと思われます。
○ 何とか、そうした団体を行政が経済的支援を行うだけでも活性化につながるのではないかと思います。公的施設の有効活用も含めて検討する必要があります。
<山本さん>
行政と民間団体の連携のあり方について検討して参ります。
<金子さん>
補助金等の公的助成はおおいに考えられると思います。空いている公的施設利用
は、積極的に活用されることを歓迎します。
ご協力、ありがとうございました。
by halunet
| 2007-01-12 11:22
| 人権と福祉