2009年 05月 19日
ナクバ追悼を禁じる |
久松重光
イスラエルでは、5月14日に、「ナクバ」を追悼すると、法によって処罰するという法案が出されたことをハアレツ紙が、報じています。これを読むと、いかにイスラエルが危険なところにいるか、またいかに理不尽なことをしているか、外国人の目には明らかです。不条理に苦しむパレスチナ人の苦悩は、想像に余りあります。でもこれを訳しながら、僕は、日本のことを思っていました。イスラエルという国がやっていることは、日本が「アイヌ」に対してやってきたことでした。
ナクバを追悼する記念日、イスラエル国家の成立とともにパレスチナ人に降りかかった災厄の日、5月14日に、ハアレツ紙は、イスラエルにおいて、すべてのナクバ追悼を禁じる新しい法案が出されたことを報じた。この法案は、イスラエルの外相、アヴィドール・リーバーマンの政党 「わが祖国イスラエル」(Yisrael Beiteinu)によって提案されたものだ。法案は、ナクバを追悼する者には、3年の禁固刑に処すと脅すものである。
「わが祖国イスラエル」党のスポークスマンは、その法律は、イスラエル国家の結束の強化を意味すると語ったと報じられている。その声明と法案は、反ファシズムの警報を誘発するだろう。「結束」という名で、これは、記憶、集合的なアイデンティティ、文化的—政治的な表現行為を法で処罰しようという提案である。イスラエルの多数派グループの名によって、この提案は、記憶と記憶を呼び覚ます者を法で処罰しようとしており、効果的に、イスラエル最大の少数派のグループ・アイデンティティを法で処罰しようとするものである。まさに文化の存在とは、その記憶に依拠しており、またそのことは、ひとつの文化が自分自身について語る物語から成っている。
この法律は、思い出を持ち、文化を作り出し、歴史を創出する人々としてのパレスチナ人の存在を脅かすだろうし、イスラエルが、すべてのグループの歴史が語られ得る真に多様な社会になることを妨げるであろう。そしてこの同じ政党の政治綱領が、もうひとつ別の所有権明け渡しの形態、つまりパレスチナ市民から市民権を剥奪するという脅しをかけると同時に、ナクバを思い出すことを禁じることによって、その法は、400以上の村の破壊、大量虐殺、と70000人以上の難民の発生、何千エーカーもの土地の没収、を含めて1948年のパレスチナ人の所有権明け渡しを抹消しようと目論んでいる。
その法案に関するレポートは、その法は、単にパレスチナ人でだけではなく、ナクバを追悼する者は誰でも処罰されるだろうと言っている。このように、その法案は、イスラエルにおける最近の他の展開の前兆となっている。そこでは、イスラエル国内と占領地の両方で、パレスチナ人を黙らせようとしたの同じようなやり方で、イスラエルのユダヤ人の抗議を封じ込めるのを目的とするキャンペーンで、イスラエルのユダヤ人が標的にされている。
ナクバを追悼する者は誰でも処罰するという脅しは、またイスラエル国家に関与するすべての人は、ナクバを知り、思い出す義務があるという注意喚起でもある。追悼のよき情報源は、イ
スラエルの「ゾッホロート」という組織である。その組織は、ウェブサイトでの追悼や、実際に1948年に破壊されたパレスチナの村へのツァーを組み、ナクバについての広範な教育を提供している。また「ゾッホロート」の“リンク”ページは、情報とか地図、ナクバについての証言といった異なった沢山の資料を提供している。
ゾッホロートのノルマ・ムーシュ(Norma Musih)氏は、「イスラエルのユダヤ人が、ナクバに気づき、それを認めることは、そしてこの悲劇に対して責任を取ることは、パレスチナとイスラエルの人々の間の闘争を終わらせ、和解のプロセスを始めるためには、不可欠なことである」と書いている。
アメリカのユダヤ人としての私は、アメリカ人にとっても、そしてユダヤ人とっても、ナクバの悲劇を認めることは重要なことであると考えている。
そうすれば、パレスチナ人が苦しみ耐えていること、彼らがこの紛争で危機に瀕していることを、われわれもまた理解できるのである。
サラ・アンネ・ミンキン
イスラエルでは、5月14日に、「ナクバ」を追悼すると、法によって処罰するという法案が出されたことをハアレツ紙が、報じています。これを読むと、いかにイスラエルが危険なところにいるか、またいかに理不尽なことをしているか、外国人の目には明らかです。不条理に苦しむパレスチナ人の苦悩は、想像に余りあります。でもこれを訳しながら、僕は、日本のことを思っていました。イスラエルという国がやっていることは、日本が「アイヌ」に対してやってきたことでした。
ナクバを追悼する記念日、イスラエル国家の成立とともにパレスチナ人に降りかかった災厄の日、5月14日に、ハアレツ紙は、イスラエルにおいて、すべてのナクバ追悼を禁じる新しい法案が出されたことを報じた。この法案は、イスラエルの外相、アヴィドール・リーバーマンの政党 「わが祖国イスラエル」(Yisrael Beiteinu)によって提案されたものだ。法案は、ナクバを追悼する者には、3年の禁固刑に処すと脅すものである。
「わが祖国イスラエル」党のスポークスマンは、その法律は、イスラエル国家の結束の強化を意味すると語ったと報じられている。その声明と法案は、反ファシズムの警報を誘発するだろう。「結束」という名で、これは、記憶、集合的なアイデンティティ、文化的—政治的な表現行為を法で処罰しようという提案である。イスラエルの多数派グループの名によって、この提案は、記憶と記憶を呼び覚ます者を法で処罰しようとしており、効果的に、イスラエル最大の少数派のグループ・アイデンティティを法で処罰しようとするものである。まさに文化の存在とは、その記憶に依拠しており、またそのことは、ひとつの文化が自分自身について語る物語から成っている。
この法律は、思い出を持ち、文化を作り出し、歴史を創出する人々としてのパレスチナ人の存在を脅かすだろうし、イスラエルが、すべてのグループの歴史が語られ得る真に多様な社会になることを妨げるであろう。そしてこの同じ政党の政治綱領が、もうひとつ別の所有権明け渡しの形態、つまりパレスチナ市民から市民権を剥奪するという脅しをかけると同時に、ナクバを思い出すことを禁じることによって、その法は、400以上の村の破壊、大量虐殺、と70000人以上の難民の発生、何千エーカーもの土地の没収、を含めて1948年のパレスチナ人の所有権明け渡しを抹消しようと目論んでいる。
その法案に関するレポートは、その法は、単にパレスチナ人でだけではなく、ナクバを追悼する者は誰でも処罰されるだろうと言っている。このように、その法案は、イスラエルにおける最近の他の展開の前兆となっている。そこでは、イスラエル国内と占領地の両方で、パレスチナ人を黙らせようとしたの同じようなやり方で、イスラエルのユダヤ人の抗議を封じ込めるのを目的とするキャンペーンで、イスラエルのユダヤ人が標的にされている。
ナクバを追悼する者は誰でも処罰するという脅しは、またイスラエル国家に関与するすべての人は、ナクバを知り、思い出す義務があるという注意喚起でもある。追悼のよき情報源は、イ
スラエルの「ゾッホロート」という組織である。その組織は、ウェブサイトでの追悼や、実際に1948年に破壊されたパレスチナの村へのツァーを組み、ナクバについての広範な教育を提供している。また「ゾッホロート」の“リンク”ページは、情報とか地図、ナクバについての証言といった異なった沢山の資料を提供している。
ゾッホロートのノルマ・ムーシュ(Norma Musih)氏は、「イスラエルのユダヤ人が、ナクバに気づき、それを認めることは、そしてこの悲劇に対して責任を取ることは、パレスチナとイスラエルの人々の間の闘争を終わらせ、和解のプロセスを始めるためには、不可欠なことである」と書いている。
アメリカのユダヤ人としての私は、アメリカ人にとっても、そしてユダヤ人とっても、ナクバの悲劇を認めることは重要なことであると考えている。
そうすれば、パレスチナ人が苦しみ耐えていること、彼らがこの紛争で危機に瀕していることを、われわれもまた理解できるのである。
サラ・アンネ・ミンキン
by halunet
| 2009-05-19 06:53
| パレスチナの平和