2009年 05月 18日
アミラ・ハスさんのことなど |
森井雅子
アミラ・ハスさんが逮捕されたとの報に心配していましたが、久松さんの情報のなかに、保釈されたとあったので、ほっとしました。兵器の在庫が増えれば「戦争」や「内戦」を必要とするように、やはり、それはイスラエルだけに限った話ではないですね。
以前、パレスチナからのハスさんのレポートは、ウェブサイトにも翻訳されて流されていました。1997年から2002年まで、ハアレツ紙に掲載されたレポートが、「パレスチナから<占領地の住民となって>報告します」という本にまとめられています。「ジェニン・ジェニン」という映画にもなった、イスラエル軍がジェニン難民キャンプに侵攻した直後のレポートもありました。彼女は有名人や知識人や当局に取材するのではなく、普通に暮らしている人々の生の声を届けようとしていることがよく分かります。
パレスチナ人の苦しみをリポートすることは、イスラエルでは「国家反逆罪」と見なされているなかでも、彼女は記事を送り続ける。そんな記事をイスラエルの人々はどのような気持ちで読むのでしょう。
彼女は、この本の中で土井敏邦さんのインタビューに答えて、報道、あるいはジャーナリストの基本とされる、「客観的」「偏らない」ことについて、このような姿勢をきっぱり否定しています。中立を装いながら、その問題の根源に迫ることをせず、結果的に権力の側に立つ、日本のメディアとは大違いです。
現在メディアが大フィーバーしている、「新型インフルエンザ」も、発生源となったメキシコの養豚場が多国籍企業で、産業動物の福祉なんて、「何の話?」という劣悪な飼育環境のことや、地元にもに甚大な環境汚染を引き起こしていることや、その豚肉の9割を日本が輸入していることなどに全く言及しない。そんな状況では新型も必然と出てくるだろうし、私など、人間へのしっぺ返しとしか思えない。「タミフルの在庫一掃」とも噂される今回の騒ぎで、アメリカでさえやっていない集会や旅行や映画館や講演会や、人が集まることが中止、自粛される。「茶色の朝」ならぬ、起きてみたら「白い(マスク)朝」にならないことだけを祈るばかり。
話がそれてしまいましたが、最後に、パレスチナと日本、日本人との関連を聞かれた彼女は、「日本の援助は結果的にイスラエルの占領を補助している。例えばイスラエルが破壊したパレスチナの道路や建物の修復のため、また、封鎖のために貧困に瀕しているパレスチナ人の救援のために使われている。パレスチナ社会の発展には使われず、イスラエルの”占領”が引き起こしている損害の”補填”に使われている。だからこそ日本の人たちはこの問題に無関心であってはいけないのです」と答えています。
ひとつひとつのことをじっくり考えることが大事だと、自戒を込めて思います。
アミラ・ハスさんが逮捕されたとの報に心配していましたが、久松さんの情報のなかに、保釈されたとあったので、ほっとしました。兵器の在庫が増えれば「戦争」や「内戦」を必要とするように、やはり、それはイスラエルだけに限った話ではないですね。
以前、パレスチナからのハスさんのレポートは、ウェブサイトにも翻訳されて流されていました。1997年から2002年まで、ハアレツ紙に掲載されたレポートが、「パレスチナから<占領地の住民となって>報告します」という本にまとめられています。「ジェニン・ジェニン」という映画にもなった、イスラエル軍がジェニン難民キャンプに侵攻した直後のレポートもありました。彼女は有名人や知識人や当局に取材するのではなく、普通に暮らしている人々の生の声を届けようとしていることがよく分かります。
パレスチナ人の苦しみをリポートすることは、イスラエルでは「国家反逆罪」と見なされているなかでも、彼女は記事を送り続ける。そんな記事をイスラエルの人々はどのような気持ちで読むのでしょう。
彼女は、この本の中で土井敏邦さんのインタビューに答えて、報道、あるいはジャーナリストの基本とされる、「客観的」「偏らない」ことについて、このような姿勢をきっぱり否定しています。中立を装いながら、その問題の根源に迫ることをせず、結果的に権力の側に立つ、日本のメディアとは大違いです。
現在メディアが大フィーバーしている、「新型インフルエンザ」も、発生源となったメキシコの養豚場が多国籍企業で、産業動物の福祉なんて、「何の話?」という劣悪な飼育環境のことや、地元にもに甚大な環境汚染を引き起こしていることや、その豚肉の9割を日本が輸入していることなどに全く言及しない。そんな状況では新型も必然と出てくるだろうし、私など、人間へのしっぺ返しとしか思えない。「タミフルの在庫一掃」とも噂される今回の騒ぎで、アメリカでさえやっていない集会や旅行や映画館や講演会や、人が集まることが中止、自粛される。「茶色の朝」ならぬ、起きてみたら「白い(マスク)朝」にならないことだけを祈るばかり。
話がそれてしまいましたが、最後に、パレスチナと日本、日本人との関連を聞かれた彼女は、「日本の援助は結果的にイスラエルの占領を補助している。例えばイスラエルが破壊したパレスチナの道路や建物の修復のため、また、封鎖のために貧困に瀕しているパレスチナ人の救援のために使われている。パレスチナ社会の発展には使われず、イスラエルの”占領”が引き起こしている損害の”補填”に使われている。だからこそ日本の人たちはこの問題に無関心であってはいけないのです」と答えています。
ひとつひとつのことをじっくり考えることが大事だと、自戒を込めて思います。
by halunet
| 2009-05-18 15:37
| パレスチナの平和